冷蔵庫の正しい7つの処分方法と費用・注意点について解説

冷蔵庫の正しい7つの処分方法と費用・注意点について解説

冷蔵庫をそろそろ買い替えたいのですが、古い冷蔵庫の処分に困っています。

冷蔵庫は重量があるため、手作業で処分するのは大変です。冷蔵庫を購入した家電量販店に引き取ってもらう、不用品回収業者に依頼するなど、自分に合った処分方法を選びましょう。

内閣府の「消費動向調査(令和6年3月)」によると、冷蔵庫の平均使用年数は約14年です(※)。冷蔵庫を購入してからそろそろ10年が経ち、古い冷蔵庫の処分方法に困っている方もいるでしょう。

この記事では、不用品回収のプロが、冷蔵庫の正しい処分方法や費用の目安、処分する際の注意点について解説します。

内閣府「消費動向調査 令和6年3月実施調査結果」p16

冷蔵庫を処分する際に知っておきたい2つの基礎知識

冷蔵庫を処分する際に知っておきたい2つの基礎知識

冷蔵庫を処分するに当たって、知っておくべきことはありますか?

不要になった家電製品は「廃家電」と呼ばれ、家電リサイクル法という法律の対象になります。また冷蔵庫の処分にかかるリサイクル料金や、収集運搬料金の目安についても知っておくとよいでしょう。

ここでは、冷蔵庫を処分する際に知っておきたい基礎知識を2つ紹介します。

家電リサイクル法に基づいた処分をする

不要になった冷蔵庫は、家電リサイクル法という法律に基づいて処分する必要があります。

家電リサイクル法とは、“一般家庭や事務所から排出された家電製品から、有用な部分や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利用を推進するための法律”です(※)。

家電リサイクル法では、冷蔵庫などの廃家電を回収業者に引き渡す際に、リサイクル料金と収集運搬料金を支払う必要があります。このとき、廃家電がその後きちんと処理されたかを確認できる「家電リサイクル券」が発行されるため、大切に保管しておきましょう。

経済産業省「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」

冷蔵庫の処分費用の相場は約6,000円~7,000円

廃家電のリサイクル料金は、家電製品協会(家電リサイクル券センター)のホームページで確認できます。主要メーカーの冷蔵庫の場合、170リットル以下の小型冷蔵庫が3,740円、171リットル以上の大型冷蔵庫が4,730円です(※)。

このリサイクル料金に加えて、約2,000円~3,000円ほどの収集運搬料金がかかります。そのため、冷蔵庫を1台処分するための料金の目安は、約6,000円~7,000円でしょう。

一般社団法人 家電製品協会「リサイクル料金 主要メーカー一覧」

なるほど。冷蔵庫は法律を守って、正しく処分しなければならないのですね。

家電リサイクル法では、消費者に対する罰則を定めていません。しかし、回収業者が冷蔵庫を不法投棄した場合、依頼した側の責任が問われる可能性もあります。

冷蔵庫を適正に処分する7つの方法

冷蔵庫を適正に処分する7つの方法

古い冷蔵庫は、購入した家電量販店で引き取ってもらえると聞きました。

はい。その他にも、新しく買い替える際の「下取り」や、不用品回収業者に依頼する方法など、さまざまな手段があります。

ここでは、冷蔵庫を正しく処分する方法を7つ紹介します。

新しい冷蔵庫に買い替える際に「下取り」を依頼する

冷蔵庫を新しく買い替える場合は、古い冷蔵庫を一緒に引き取ってもらう「下取り」が利用できる場合があります。

下取りを依頼すると、自分で冷蔵庫を運んだり、回収業者を手配したりする必要がないため、手間がかからないのがメリットです。また下取りサービスの中に、新しい冷蔵庫の設置作業が含まれている場合もあります。

新しい冷蔵庫への買い替えから、古い冷蔵庫の処分まで、まとめて依頼したい方におすすめです。最寄りの家電量販店のホームページなどで、下取りサービスを行っていないか確認してみましょう。

購入した家電量販店に引取を依頼する

また家電量販店では、古い冷蔵庫の引取サービスを提供している場合もあります。下取りと違って、新しく冷蔵庫を購入しない場合も引き取ってもらえることがあります。ただし、引取を依頼できるのは、過去に冷蔵庫を購入した店舗に限られる場合が一般的です。

ほとんどの家電量販店は、家電リサイクル法を遵守して廃家電の処分やリサイクルを行っています。いらない冷蔵庫を適正に処分する手段として、最も簡単な方法の一つです。

ただし、店舗によって引取方法が異なる場合があるため、事前にホームページなどで手順を確認してください。

お住まいの自治体へ処分方法を問い合わせる

購入した店舗が分からない場合は、お住まいの自治体のルールに従い、冷蔵庫の回収を依頼する方法もあります。市区町村によって処分方法が異なるため、あらかじめ担当課に問い合わせるとよいでしょう。

ただし、家電リサイクル対象品の収集を行っていない自治体も多く、問い合わせを行っても、家電量販店での引取などを勧められる場合もあります。

東京都のように、自治体としての収集は行っていなくても、家電リサイクル受付センターを通じて、東京23区における廃家電の回収依頼を受け付けているケースもあります。

最寄りの指定引取場所に持っていく

指定引取場所とは、家電リサイクル対象品を適正に処分するためのメーカー拠点のことです。廃家電の引取を行っている家電販売店も、指定引取場所に持ち込んで処分しています。

指定引取場所は全国各地に存在しており、家電製品協会(家電リサイクル券センター)のホームページから所在地を検索できます。

軽トラックなど、冷蔵庫を自分で運搬する手段をお持ちの場合は、最寄りの指定引取場所に直接持っていくことも可能です。

不用品回収業者に回収を依頼する

古い冷蔵庫を手軽に処分したい場合は、不用品回収業者に回収を依頼するとよいでしょう。指定した日時に回収しに来てくれるため、自分で冷蔵庫を運ぶ必要もありません。冷蔵庫を購入した店舗が分からない場合や、お近くの家電販売店で引取を行っていない場合は、不用品回収業者の利用がおすすめです。

不用品回収業者によっては、廃家電の買取も可能です。売却代金を得られるため、リサイクル料金や収集運搬料金の負担を抑えられます。

ただし、不用品回収業者の中には、必要な許可を持っていない違法業者も存在します。トラブルに巻き込まれないよう注意しましょう。

違法業者を見抜く方法はありますか?

市区町村から一般廃棄物処理業の許可をもらっている業者なら、違法業者ではありません。無許可の回収業者に関しては、後の項目でも詳しく解説します。

リサイクルショップなどで買い取ってもらう

冷蔵庫が比較的新しく、まだ十分に使える状態の場合は、リサイクルショップなどで買い取ってもらう方法もあります。廃家電を処分するのではなく、再利用(リユース)する場合は、リサイクル料金がかかりません。

ただし、冷蔵庫の状態によっては、買取対象にならないこともあるため注意しましょう。

また冷蔵庫の買取査定を行う方法には、店頭に自分で持ち込む「店頭買取」と、指定した場所にスタッフが出張する「訪問買取」の2種類があります。店頭買取を選ぶ場合、自分で冷蔵庫を運ばなければならないため、軽トラックなどの運搬車両が必要になります。

ネットオークションやフリマアプリなどで売却する

冷蔵庫を売却したい場合は、ネットオークションやフリマアプリなどを利用する方法もあります。インターネット上の簡単な手続きだけで、手軽に処分できるのがメリットです。

ただし、買い手が見つかるまで時間がかかる場合があることや、冷蔵庫を自分で梱包し、発送する手間がかかるなど、デメリットも存在します。

冷蔵庫を処分すると言っても、さまざまな方法があるのですね。

ここまで紹介した7つの処分方法の中から、自分に合ったものを選びましょう。購入した店舗が分からない場合や、冷蔵庫の状態が悪く、買取に適していない場合は、不用品回収業者の利用をおすすめします。

無許可の回収業者には要注意!

無許可の回収業者には要注意!

不用品回収業者に冷蔵庫の回収を依頼する場合は、無許可業者に注意しましょう。

不用品回収業者が、家電リサイクル対象品を指定引取場所に運ぶには、市区町村から一般廃棄物処理業の許可を得る必要があります。ホームページなどに一般廃棄物処理業の許可番号が掲載されていない場合、無許可業者の可能性が高いため利用しないようにしましょう。

無許可業者に冷蔵庫を引き渡すと不法投棄され、依頼した側の責任が追求される可能性もあります。

不用品回収業者の中には、市区町村からの推薦により、家電製品協会(家電リサイクル券センター)に入会している業者も存在します。冷蔵庫を安心して処分したい場合は、自治体から推薦を受けた業者を選ぶとよいでしょう。

無許可業者を見抜くには、ホームページなどで一般廃棄物処理業の許可番号を確認すればよいのですね。

その他、口コミサイトなどで悪い評判が書き込まれていないか確認することも大切です。また不用品回収業者の比較サイトなら、全国の優良店の中から自分に合った回収業者を選べます。

冷蔵庫をできるだけ高く売るコツ

まだ新しい冷蔵庫を処分するので、できるだけ高く売りたいです。

冷蔵庫を査定に出す前にちょっとした工夫をすることで、買取価格が大きく変わる可能性があります。特に冷蔵庫を売却する時期に注意するとよいでしょう。

ここでは、冷蔵庫をできるだけ高く売るコツを4つ紹介します。

需要が高くなる梅雨から夏前にかけて手放す

冷蔵庫には、売れやすい時期と売れにくい時期があります。

冷蔵庫の需要が高くなるのは、梅雨から夏前にかけての時期と言われています。この時期は冷蔵庫が故障しやすく、急な買い替えを迫られる人が増えるからです。

購入価格が高い新品の冷蔵庫よりも、比較的安価な中古品に人気が集中するため、買取業者としても力を入れて冷蔵庫の買取を行っています。

購入時の付属品や保証書とセットで査定に出す

冷蔵庫をできるだけ高く売るコツ

また冷蔵庫を査定に出すときは、購入時の付属品や保証書が残っているか確認しましょう。付属品や保証書が揃っていると、買取価格が高くなります。

例えば、冷蔵庫の付属品には、以下のようなものがあります。

  • 製氷皿
  • 蒸発皿
  • ガラストレイ
  • バスケット
  • ケース類(フリーケース、冷凍ケースなど)
  • ポケット類(フリーポケット、ボトルポケット、エッグポケットなど)
  • 調節脚(高さ調節器具)
  • 電源プラグ

査定に出す前にできるだけ掃除して綺麗にしておく

また買取査定に出す前に、できるだけ冷蔵庫本体を掃除し、綺麗にしておきましょう。見た目の使用感が少なく、状態がよい冷蔵庫の方が買取価格が高くなります。

ほとんど汚れていない場合は、化学モップもしくは掃除機を使い、表面のホコリを取るだけで構いません。

汚れが目立つ場合は、台所用洗剤や酸素系漂白剤を使用し、スポンジで冷蔵庫本体や部品をこすり洗いしましょう。洗剤を使用する場合、安全のためゴム手袋を着用してから行ってください。

売れそうになくてもとにかく相談してみる

冷蔵庫の状態が悪い場合も、一度不用品回収業者や買取業者に相談してみることをおすすめします。買取対象にはならなくても、格安料金で回収してもらえる場合があるからです。また他に売却したい家電製品がある場合は、セットで買取価格が付くケースもあります。

リサイクル料金や収集運搬料金など、冷蔵庫の処分にはお金がかかります。少しでも出費を抑えたい方は、お近くの不用品回収業者に相談してみましょう。

冷蔵庫を処分する前にやるべき3つのこと

冷蔵庫を処分する前にやるべき3つのこと

冷蔵庫を処分する前に、やっておくべきことを知りたいです。

特に大切なのが、水抜き・霜取りです。事前の準備を怠ると、後で冷蔵庫から水漏れする可能性があります。

ここでは、冷蔵庫を処分する前にやるべきことを3つ紹介します。

冷蔵庫の電源は前日のうちに切っておく

まずは、処分に出す前日のうちに電源プラグを抜き、冷蔵庫の電源を切っておきましょう。

冷蔵庫の電源を切ると、冷凍庫内部の霜が溶け出し、蒸発皿にたまります。冷蔵庫の水抜き・霜取りをする上で、最初に必要な工程です。

霜はすぐには溶けないため、遅くとも冷蔵庫を処分する前日までに電源を切っておく必要があります。

冷蔵庫の中身は事前に空にしておく

また冷蔵庫の中身は、処分する前に空にしておきましょう。

ほとんどの不用品回収業者は、ホームページなどで冷蔵庫の中に入っているものを捨ててから処分に出すように注意書きをしています。冷蔵庫の中身が入ったままだと、回収業者に運搬を拒否されてしまうかもしれません。

特に夏場は、冷蔵庫の中身が運搬中に腐敗し、ニオイを発生させる恐れがあります。冷蔵庫の中身を事前に空にしてから回収してもらいましょう。

水がこぼれないように水抜き・霜取りを行う

冷蔵庫を処分する前に必ずしておかなければならないのが、水抜き・霜取りと呼ばれる作業です。

霜取りとは、冷凍庫内部の霜や氷を溶かす作業です。冷蔵庫の電源を抜き、霜取りを行いましょう。最近の冷蔵庫には、自動霜取り機能が付いている製品も多いため、自動的に庫内の霜を除去できます。

霜取りを行ったら、蒸発皿や水受けトレイにたまった水を捨てましょう。この作業を「水抜き」と言います。

水抜き・霜取りをせずに冷蔵庫を捨てると、運搬中に水漏れが発生する場合があるため、必ず行いましょう。

事前にしっかりと準備をしてから、冷蔵庫を引き取ってもらおうと思います。

水抜き・霜取りをしていないと、冷蔵庫の回収を拒否される場合もあります。遅くとも前日までに冷蔵庫の電源を切っておいてください。

冷蔵庫は法律を守り、正しく処分する必要がある

冷蔵庫は家電リサイクル法の対象品です。不要になった冷蔵庫を処分する場合は、リサイクル料金と収集運搬料金を支払う必要があります。

ただし、まだ使える冷蔵庫を売却(リユース)する場合、リサイクル料金はかかりません。冷蔵庫の買取にも対応している不用品回収業者を利用するとよいでしょう。

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