イヤホンが壊れてしまったり、新しいモデルに買い替えたりした際、古いイヤホンの処分方法に困ることがあります。どのように処分すれば良いのか、費用はかかるのか、注意すべき点はあるのかなど、お悩みの方も多いでしょう。
イヤホンの処分方法は一つではなく、状況やイヤホンの状態によって適している方法は異なります。安易に捨ててしまうと、環境に負荷をかけたり、個人情報が漏えいしたりするリスクもあるため気をつけましょう。
本記事では、イヤホンの具体的な処分方法とそれぞれの費用相場、メリット・デメリット、処分する際の注意点について詳しく解説します。

早稲田大学国際教養学部卒。その後、不用品回収や遺品整理に特化したメディア「不用品回収の窓口」の立ち上げに参画。400社を超える不用品回収業者の業務改善や集客改善に注力。同時に、環境省が主催する「使用済製品等のリユース促進事業研究会」へ定期的に参加し、不用品回収やゴミ問題解決に取り組んでいる。不用品や遺品整理に関する多様な記事の執筆・監修も担当。
このページの内容
イヤホンの処分にかかる費用相場

イヤホンの処分費用は方法で異なり、無料の方法から有料のものまでさまざまです。主な処分方法ごとの費用相場は以下の通りです。
処分方法 | 費用相場 |
---|---|
自治体のルールでゴミとして処分する | 無料~数百円 |
店舗で回収・下取りしてもらう | 無料(下取り額に応じてプラスになることも) |
リサイクルショップで売却する | 無料〜売却益(買取付加の可能性あり) |
フリマアプリやオークションで売却する | 売却益(販売手数料や送料を差し引いた額) |
不用品回収業者に依頼する | 数千円~(他の不用品とまとめて依頼する場合) |
欲しがっている人に譲る | 無料(送料を負担する場合あり) |
費用は一概に言えませんが、方法によっては、無料で回収してもらったり売却によって収益化したりすることも可能です。不用品回収はまとめて依頼すると割安になることもあります。状態や手間、費用を比較し、納得できる方法を選びましょう。
イヤホンの処分費用をできるだけ抑えたいのですが、何かコツはありますか。
自治体の無料回収を利用すれば、費用はかかりません。また、売却できる状態であれば、手間はかかりますがフリマアプリなどを活用すると収入になることもあります。
イヤホンの処分方法

イヤホンの代表的な6つの処分方法を解説します。
自治体のルールに従ってゴミとして処分する

基本的な処分方法は、自治体のルールに従いゴミとして出すことです。有線イヤホンは「不燃ゴミ」や「金属ゴミ」、ワイヤレスイヤホンは内蔵バッテリーの扱いに注意し、「小型家電リサイクル」や別途分別が必要な場合があります。基本的に粗大ゴミ扱いとなることはありませんが、念のため自治体の情報を確認しましょう。公共施設などの「小型家電回収ボックス」の利用もおすすめです。
【メリット】
- 手軽に処分できる
- 費用が無料か少額である
- リサイクルに貢献できる
【デメリット】
- 自治体でルールが異なる
- バッテリー分別に手間がかかる場合がある
- 収集日が限定的である
ワイヤレスイヤホンの場合、内蔵バッテリーの処分が気になります。特に注意すべきことはありますか。
はい、リチウムイオン電池は衝撃や圧力で発火する危険性があるため、他の不燃ゴミと混ぜずに、自治体の指示に従い「有害ゴミ」や「小型家電回収ボックス」へ出すようにしてください。
店舗で回収・下取りしてもらう
新しいイヤホンの購入時に、古い製品を回収・下取りしている店舗もあります。下取り分が購入代金から割引される場合もあります。対象製品や条件は店舗で異なるため、事前の確認が重要です。
【メリット】
- 新品購入時に同時処分でき手間が少ない
- 下取りで新品を安く購入できる可能性がある
- 適切にリサイクルされる安心感がある
【デメリット】
- 全店舗で実施しているわけではない
- 下取り条件が限定的な場合がある
- 下取り価格が低い、またはつかないこともある
新しいイヤホンを買う予定はないのですが、それでも家電量販店で古いイヤホンを回収してもらえるのでしょうか。
店舗によっては、購入がなくても小型家電リサイクル法に基づいて回収ボックスを設置している場合があります。事前に店舗へ問い合わせて確認することをおすすめします。
リサイクルショップで売却する
まだ使えるイヤホンはリサイクルショップで売却可能です。人気メーカー品や高機能なもの、新しいものは高値がつくこともあります。店頭持ち込みの他、宅配・出張買取サービスもあります。状態が悪いものや古いものは買取不可や低価格になることもあります。
【メリット】
- 現金化できる可能性がある
- その場で査定・現金化が可能
- 製品を再利用してもらえる
【デメリット】
- 買取価格がつかない、または低い場合がある
- 付属品の有無が査定に影響する
- 持ち込みに手間がかかる(宅配買取などを除く)
リサイクルショップで少しでも高くイヤホンを買い取ってもらうには、どのような点が重要ですか。
購入時の箱や説明書、充電ケーブルやイヤーピースなどの付属品を全て揃えて持ち込むことです。また、本体を綺麗に清掃しておくと査定時の印象が良くなることがあります。
フリマアプリやオークションで売却する
フリマアプリやネットオークションでの個人売買は、リサイクルショップより高値で売れる可能性があり、価格設定も自由であるため、人気の高い売却方法の一つです。出品時は状態を正確に記載し、写真を多く掲載しましょう。ただし、出品から発送まで自分自身で行い、手数料や送料も考える必要があります。
【メリット】
- 高値で売れる可能性がある
- 自分で価格設定できる
- 希少品が評価されやすい
【デメリット】
- 出品・梱包・発送の手間がかかる
- 売れるまで時間がかかることがある
- 手数料や送料が発生する
- 個人間取引のトラブルリスクがある
フリマアプリでイヤホンを出品する際、商品説明で特に記載すべきことは何ですか。
製品の型番、購入時期、使用頻度、動作状況、バッテリーの持ち具合などを正直かつ具体的に記載することです。キズや汚れがある場合は、その箇所が分かる写真も掲載すると信頼性が高まります。
不用品回収業者に依頼する
他に不用品が多数ある場合、不用品回収業者にまとめて依頼できます。自宅まで回収に来てくれるため、手間なく処分できるでしょう。単品回収は割高なことが多いですが、引っ越し時などには便利です。即日対応が可能な業者もいますが、費用は高めなので、複数業者から見積もりを取ることをおすすめします。
【メリット】
- 自宅回収で手間が少ない
- 他の不用品もまとめて処分できる
- 分別・運び出しが不要
【デメリット】
- 費用が高めである
- 単品だと割高になることがある
- 信頼できる業者選びが重要になる
イヤホン1つだけでも不用品回収業者に来てもらうことは可能なのでしょうか。
業者によっては単品での回収も可能ですが、一般的に出張費などがかかるため、単品での回収はおすすめしません。他の不用品とまとめて依頼すると、費用を抑えられることが多いです。
欲している人に譲る
まだ使えるイヤホンは、家族や友人などに譲るのも良い方法です。相手に喜ばれ、ゴミ削減にもつながります。地域の情報掲示板サービスなども活用できます。譲る前は清掃と動作確認を行いましょう。
【メリット】
- 費用をかけず処分できる
- 相手に喜ばれる可能性がある
- ゴミ削減に貢献できる
【デメリット】
- 譲る相手を見つける手間がかかる
- 相手が見つからないと処分できない
- 郵送の場合、送料負担の可能性がある
イヤホンの寿命・処分・買い替えのタイミング

イヤホンにも寿命があります。一般的に、有線で1~3年、ワイヤレスで2~3年が目安ですが、使い方で変わります。以下のようなサインが出たら買い替えのタイミングかもしれません。
- 音が途切れる、片方からしか聞こえない
- 音質が悪化、ノイズが混じる
- 充電できない、バッテリーがすぐ切れる(ワイヤレス)
- ケーブル破損、プラグのぐらつき
- Bluetooth接続不良(ワイヤレス)
一般的に、イヤホンの場合、修理を試みるより新しいイヤホンに買い替える方が経済的で手間もかからないことが多いです。また、故障していなくても、より高音質なモデルや最新機能を搭載したイヤホンが欲しくなったときも、買い替えの良いタイミングでしょう。
ワイヤレスイヤホンのバッテリーの持ちが悪くなってきたのですが、これは寿命と考えて良いのでしょうか。
はい、充電してもすぐにバッテリーが切れる、または充電自体ができなくなってきた場合は、内蔵バッテリーの寿命が近いサインと考えられます。買い替えを検討する一つの目安になります。
イヤホンを処分するときの注意点

イヤホンを処分する際には、いくつかの注意点があります。ポイントを押さえてトラブルを未然に防ぎ、スムーズかつ安全に処分を進めましょう。
処分前に行うべきこと
長年使用したイヤホンは、イヤーピースや本体に皮脂や耳垢が付着していることがあります。特に人に譲ったり売却したりする場合は、処分前にアルコールを含ませた布などで丁寧に清掃しましょう。ゴミとして処分する場合でも、最低限の清掃はマナーとして心がけたいところです。
売却や譲渡を考えているなら、購入時の箱、説明書、充電ケーブル、交換用のイヤーピースなどの付属品が揃っているか確認しましょう。付属品が揃っている方が買い手が見つかりやすく、査定額も高くなる傾向があります。最後に、イヤホンが正常に動作するかどうかの最終確認も行い、もし不具合がある場合は、その情報を正直に伝えるようにしましょう。
また、ワイヤレスイヤホンや多機能イヤホンの場合は、スマートフォンなど他のデバイスとのペアリング情報を解除・初期化することも大切です。個人情報が意図せず他人に渡るリスクを防ぎ、次に使う人がスムーズに利用できるようになります。
イヤホンを清掃する際、水洗いしても大丈夫なのでしょうか。
防水機能のないイヤホンを水洗いすると故障の原因になります。基本的には乾いた布や、アルコール成分の少ないウェットティッシュなどで優しく拭き取るようにしてください。
やってはいけないこと
イヤホンを処分する際に、トラブルや環境汚染につながる行為を避ける必要があります。
まずは、イヤホンを道端や公園、山林などに不法投棄することはやめましょう。これは法律で禁止されており、罰則の対象となるだけでなく、環境にも悪影響を与えます。
自治体の分別ルールを無視して、可燃ゴミとして出すのも避けるべきです。特に充電池を含むものは、収集時や処理施設での火災原因となる可能性があります。
また、ワイヤレスイヤホンに内蔵されているリチウムイオン電池は、知識がないまま無理に分解しようとすると発火や破裂の危険性があります。自分では分解しないようにしましょう。
さらに、売却や譲渡の際に、ペアリング情報を削除せずに渡してしまうと、意図せず個人情報が第三者に知られるリスクも考えられます。安全かつ適切に処分するために、これらの「やってはいけないこと」をしっかりと理解しておきましょう。
ワイヤレスイヤホンのバッテリーが膨張している気がします。このまま普通に捨てても大丈夫でしょうか。
いいえ、バッテリーが膨張している場合は特に危険です。発火のリスクがあるため、絶対に無理に分解したり、一般ゴミに混ぜたりしないでください。速やかに自治体や専門業者に相談しましょう。
処分方法の検討ポイント
イヤホンの処分方法は多岐にわたるため、どれを選べば良いか迷うかもしれません。以下のポイントを参考に、ご自身の状況やイヤホンの状態に合った方法を選びましょう。
- 費用はどのくらいかけられるか
- 処分に手間や時間をかけられるか
- イヤホンはまだ使える状態か、故障しているか
- 個人情報の扱いは安全か
- 環境への配慮はできるか
特に個人情報や環境への配慮は抜けやすいポイントであるため、忘れずに検討することが大切です。
悪質業者に注意!不用品回収事業者選びのコツ
不用品回収業者の中には、無料回収を謳いながら作業後に高額請求をしたり、回収物を不法投棄したりする悪質な業者もいます。金銭トラブルや個人情報漏えいのリスクを避けるため、業者選びは慎重に行いましょう。
不用品回収業者を選ぶ際は、以下のポイントを確認することをおすすめします。
- 自治体の「一般廃棄物収集運搬業」の許可を得ているか
- 見積もりが無料で、料金体系が明確に提示されているか
- 会社の所在地、固定電話の番号が明記されているか
- 過去の実績や利用者の口コミ・評判が良いか
- 契約前に作業内容や料金について書面で確認できるか
特に自治体の許可は重要です。無許可業者に依頼してしまうと、トラブルに発展するリスクが高まります。複数業者から見積もりを取り、比較しましょう。インターネットの口コミも参考になりますが、鵜呑みにしないことも大切です。
不用品回収業者に見積もりを依頼した際、提示された金額が妥当か判断するポイントはありますか。
複数の業者から相見積もりを取り、料金内訳が明確か、追加料金が発生するケースについて説明があるかを確認しましょう。極端に安い見積もりには注意が必要です。
イヤホンの正しい処分方法を知り、安全・適切に手放そう
イヤホンの処分方法は、自治体のルールに従った廃棄から、店舗での回収・下取り、リサイクルショップやフリマアプリでの売却、不用品回収業者の利用、知人への譲渡まで多岐にわたります。費用や手間、イヤホンの状態などを総合的に考慮し、ご自身に適した方法を選びましょう。
処分する際には、個人情報の取り扱いや、ワイヤレスイヤホンのバッテリーの分別など、いくつかの注意点があります。本記事で解説したポイントを参考に、正しい知識を持って適切に処分することで、トラブルを避け、環境にも配慮した対応を心がけましょう。

早稲田大学国際教養学部卒。その後、不用品回収や遺品整理に特化したメディア「不用品回収の窓口」の立ち上げに参画。400社を超える不用品回収業者の業務改善や集客改善に注力。同時に、環境省が主催する「使用済製品等のリユース促進事業研究会」へ定期的に参加し、不用品回収やゴミ問題解決に取り組んでいる。不用品や遺品整理に関する多様な記事の執筆・監修も担当。