【専門家監修】冷蔵庫を処分する6つの方法や回収業者の選び方を解説

冷蔵庫

故障した冷蔵庫の処分方法にはどんなものがありますか?

冷蔵庫を処分する際は、冷蔵庫を購入、または買い替えたお店で引き取ってもらう、自身で指定取引所に持ち込んで処分してもらう、回収業者に依頼するなどの方法があります。それぞれ手続きや費用がかかるため、上手な処分方法を確認しておきましょう

故障した、あるいは古くなった冷蔵庫を処分したいと思ったとき、自治体で行っている粗大ごみ収集を利用しようと考える人もいるでしょう。

しかし、冷蔵庫を処分するときは、「家電リサイクル法」に基づいた処分が義務付けられています。

今回は、冷蔵庫の正しい処分方法について、それぞれの費用相場や手続き方法、回収業者の選び方などを解説します。

冷蔵庫を処分する6つの方法

冷蔵庫を処分する6つの方法

冷蔵庫を処分する方法としては、主に次の6つがあります。

  1. 冷蔵庫の買い替え時に引き取ってもらう
  2. 冷蔵庫を購入した店で引き取ってもらう
  3. 指定取引所に持ち込む
  4. 自治体に問い合わせて正しい処分方法を教えてもらう
  5. リサイクルショップに買い取ってもらう
  6. 不用品回収業者を利用する

このなかで、時間や手間がかからない処分方法はどれでしょうか?

すぐに処分したい場合は、不用品回収業者への依頼がおすすめです。冷蔵庫が製造年から5年以内で状態がきれいな場合は、リサイクルショップに買い取ってもらうのも良いでしょう

6つの処分方法について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 冷蔵庫の買い替え時に引き取ってもらう

冷蔵庫の買い替える場合は、新しい冷蔵庫を購入したお店で引き取ってもらうと良いでしょう。新しい冷蔵庫を届けてもらうと同時に古い冷蔵庫を引き取ってもらえるため、余計な手間がかかりません。

引き取ってもらうにはリサイクル料金と収集運搬料金がかかりますが、大手家電量販店などでは、ポイントプレゼントなどのお得な買い替えキャンペーンを行っている場合もあります。

2. 冷蔵庫を購入した店で引き取ってもらう

新しい冷蔵庫を購入する予定がない場合は、冷蔵庫を購入したお店に連絡して引き取ってもらいましょう。家電製品の小売業者は、過去に販売した特定家庭用機器について購入者から引き取りを依頼された際、それに応じなければならないと定められています。

引き取ってもらうには、買い替え時同様、リサイクル料金と収集運搬料金がかかります。

3. 指定取引所に持ち込む

全国にある指定取引所に、冷蔵庫を持ち込む方法もあります。最寄りの指定取引所は「一般財団法人 家電製品協会」のホームページから確認できます。

指定取引所に冷蔵庫を持ち込む際は、事前に郵便局で手続きをする必要があります。まずは窓口で家電リサイクル券を受け取り、必要事項を記入したのち、窓口でリサイクル料金を支払います。

自身で冷蔵庫を持ち込まなければならないため、その分手間はかかりますが、集運搬料金がかからないため、家電量販店に引き取ってもらうよりも安く処分できます。                                    

4. 自治体に問い合わせて正しい処分方法を教えてもらう

冷蔵庫の購入先がわからなくなってしまった、引っ越ししたたえ遠方になってしまったというケースで、指定取引所に直接持ち込むことも難しい場合は、お住まいの地域の自治体に問い合わせてみましょう。

正しい処分方法を教えてくれたり、回収してくれる小売店許可業者を紹介してくれたりします。

5. リサイクルショップに買い取ってもらう

処分する予定の冷蔵庫が比較的新しく、状態もキレイならば、リサイクルショップを利用するのも方法の1つです。費用をかけずに冷蔵庫を処分できるだけでなく、ちょっとした臨時収入が手に入る可能性もあります。無料の出張サービスを行っているところを選べば、冷蔵庫を店舗まで持ち運ぶ必要もありません。

とくに製造年から5年未満で性能が高いもの、使用感が少なく状態が良いものは売れやすい傾向です。

6. 不用品回収業者を利用する

費用がかかってもいいからとにかく早く冷蔵庫を処分したい、と考えてる場合は、不用品回収業者を利用するのがおすすめです。

最短即日対応も可能で、家まで回収に来てくれるため、処分するための時間や手間がかかならいのがメリットです。

ただし、トラブルを避けるためにも、依頼する回収業者は慎重に選ぶ必要があります。

こんなにいろいろな方法があるんですね

時間や手間をかけたくない、費用をできるだけ削減したいなど、優先順位や状況によって最適な方法は変わってきます。自分に合った方法を選びましょう

冷蔵庫は家電リサイクル法の対象製品

古びた冷蔵庫

冷蔵庫が自治体の粗大ゴミ回収で処分できないのは何故でしょうか?

家電リサイクル法によって、冷蔵庫は家電リサイクル対象品目に指定されているからです。冷蔵庫を処分する際は、さきほど紹介した正しい方法で処分しましょう

2001年に定められた家電リサイクル法によって、特定家庭用機器に指定された冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビの「家電4品目」については、粗大ごみ回収の対象外となっています。[注1]

家電リサイクル法とは、廃棄物の削減・資源の有効利用を目的に定められた法律です。家庭や事業所などから処分される家電製品のなかから、再利用できる部品・材料をリサイクルすることを推進します。

冷蔵庫を処分する際は、リサイクル料金と収集運搬料金が必要です。リサイクル料金はメーカー毎に料金設定が異なります。収集運搬料金については、購入した店舗によって変わってくるため、引き取り依頼の際に確認する必要があります。

家電4品目を買い替え、または購入した店舗で引き取ってもらったり、指定取引所に持ち込んだりした場合は、引き渡し時に「家電リサイクル券」の控えが発行されます。リサイクル券の控えは、家電リサイクル法に基づいて家電製品が正しく処分される証明となります。大切に保管しておきましょう。

冷蔵庫を購入した店舗から、遠方などを理由に引き取りを断られることはありますか?

家電リサイクル法の対象品目について、小売店は過去に販売した商品の引き取りに応じる必要があります。また、回収した廃棄物はメーカーへ引き渡さなければなりません

[注1]経済産業省:家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)

冷蔵庫の処分にかかる費用目安

冷蔵庫の処分にかかる費用目安

冷蔵庫の処分にはいくらかかりますか?具体的な費用相場が知りたいです。

家電量販店や小売店で引き取ってもらうなら、リサイク料金と収集運搬料金合わせて5,000〜7,000円前後が相場です。廃品回収業者に依頼する場合は、5,000〜1万円前後と、依頼した業者によって料金に差が出てくるでしょう。

家電量販店などの店舗で冷蔵庫を引き取ってもらう場合は、リサイクル料金と収集運搬料金がかかります。大手メーカーの冷蔵庫のリサイクル料金は、170L以下で3,740円、170L以上の大型タイプで4,730円です。[注2]

収集運搬料金は冷蔵庫を購入した家電量販店や小売店によって異なります。大手家電量販店の収集運搬料金は次のとおりです。

170L以下170L以上
ビックカメラ1,650円1,650円
ヨドバシカメラ550円550円
ヤマダ電機1,650円1,650円
ケーズデンキ1,650円1,650円

例えば、ビックカメラで170L以下の冷蔵庫(大手メーカー)の引き取りを依頼した場合、リサイクル料金+収集運搬料金で5,390円の費用がかかります。

一方、収集運搬料金が安いヨドバシカメラの場合は、4,290円で冷蔵庫を引き取ってもらえます。

お住まいのエリアによっては収集運搬料金が異なる場合があるため、料金の詳細については依頼時にしっかり確認しておきましょう。

不用品回収業者に依頼した場合は、事業者に回収料金を支払います。料金は業者によってさまざまですが、冷蔵庫1個につき大体5,000〜1万円程度が相場です。

やはり冷蔵庫を処分するには、安くても5,000円以上はかかってしまうんですね。収集運搬料金がかからない方法はありますか?

自身で指定取引所に持ち込める場合は、リサイクル料金だけ処分できます。しかし、一般的な大きさの冷蔵庫を運搬するためには、軽トラなど大きめの車が必要です

[注2][注2]一般財団法人 家電製品協会:再商品化等料金一覧(家電リサイクル料金)

冷蔵庫の処分を依頼する業者の選び方

冷蔵庫の処分を依頼する業者の選び方

冷蔵庫の処分を不用品回収業者に依頼したいのですが、選ぶ際に気をつけることはありますか?

大前提として、一般廃棄物処理業の許可を持つ業者を選ぶことです。不良品回収を無料で受け付けると謳いながら、街を巡回するような業者は避けましょう。あとからトラブルに発展する可能性もあります

家庭で出た廃棄物を回収するには、一般廃棄物処理業の許可が必要です。なかには無免許で廃棄物を回収している業者も存在するため、以下のような特徴を持つ不用品回収業者は選ばないように注意しましょう。

  • 無料で何でも回収するなど、大音量で流しながら町を巡回する
  • チラシを配布している
  • 空き地で回収を行っている

インターネットで広告を出している業者のなかにも、無許可の回収業者が存在します。無料、格安、何でも回収などの謳い文句を掲げている業者にはくれぐれも注意しましょう。

無許可の不用品回収業者に冷蔵庫の処分を依頼してしまった場合、不法投棄や不適切な処理を行われたり、高額な料金を請求される場合があります。

不用品回収業者を選ぶ際は、複数の業者に相見積もりをとり、相場を把握したうえで、料金形態が明確な業者を選びましょう。

業者のホームページからきちんした業者かどうかを見極める方法はありますか?

一般廃棄物処理業の許可を持っていることが確認できる、料金が明確に記載されている、その料金が相場より高すぎたり安すぎたりしないことのほか、回収事例などを記載していることを確認しましょう

冷蔵庫を時間と手間をかけずに処分したい場合は不用品回収業者がおすすめ

冷蔵庫は家電リサイクル法で特定家庭用機器に指定されているため、粗大ごみ回収の対象外です。冷蔵庫の適切な処分方法としては、買い替え先の店舗、または冷蔵庫を購入した店舗に引き取り依頼する、指定取引所に持ち込むなどがあります。処分予定の冷蔵庫が製造から5年以内の場合は、リサイクルショップで買い取ってもらうのも良いでしょう。

時間と手間をかけずに冷蔵庫を処分したい場合は、不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。業者を選ぶ際は、一般廃棄物処理業の許可を持っていることを確認し、複数の業者から相見積もりをとることが大切です。