不用品回収業者の詐欺の手口・特徴と対象法

不用品回収業者の詐欺の手口・特徴と対象法

便利な不用品回収サービスですが、中には悪質な業者も存在し、高額請求や不法投棄といったトラブルが後を絶ちません。高額な料金を請求されたといった被害に遭わないためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

悪質な業者は巧妙な手口で利用者をだまそうとします。安心して不用品回収サービスを利用するためには、その手口や特徴を事前に理解し、適切な対策をすることが不可欠です。

この記事では、不用品回収における代表的な詐欺の手口、悪質業者の特徴、信頼できる業者を見分けるためのポイント、被害に遭った際の対処法、そして詐欺を未然に防ぐための具体的な方法について解説します。

悪質な不用品回収業者とのトラブルが増えている

悪質な不用品回収業者とのトラブルが増えている

不用品回収のトラブルは、具体的にどのくらい増えているのですか。

国民生活センターへの相談件数は年々増加傾向にあり、特に、無料のはずが高額請求されたという相談が目立ちます。事前に手口を知っておくことが、トラブル回避の第一歩です。

悪質な不用品回収業者とのトラブルが、近年増えています。国民生活センターなどへの相談件数も増加傾向です。無料のはずが高額請求された、見積もり外の料金を後から求められたといった金銭トラブルが目立ちます。

また、回収した物を不法投棄された相談も少なくありません。

不用品回収は便利ですが、中には無許可で営業する業者もいます。広告や巡回トラックを見て安易に依頼すると、思いがけない被害に遭う可能性があります。こうしたトラブルを避けるためには、業者を慎重に選ぶことが求められます。

不用品回収の詐欺の手口

不用品回収の詐欺の手口

悪質な不用品回収業者は、さまざまな手口で利用者をだまそうとします。ここでは、代表的な詐欺の手口を具体的に解説します。

見積もり額以上の金額を請求する

見積もり額以上の金額を請求する

見積もりをもらっても、後から追加請求されることがあるのですね。どうすれば防げますか。

はい、「作業一式」といった曖昧な記載ではなく、品目ごとの料金や作業内容が明記されているか確認しましょう。確定見積もりであり追加料金が発生しない旨を書面に記載してもらうのが確実です。

事前に提示された見積もり金額を大幅に超える料金を、作業後に請求する手口があります。最初は安い金額を提示して依頼させ、不用品をトラックに積み込んだ後で、追加の作業費がかかった、処分費が別途必要などと高額な料金を要求します。

すでに積み込みが終わっているため、利用者は断れないと感じてしまいがちです。悪質な業者は、こうした心理につけ込み、強引に支払いを迫ることもあります。見積もりは概算だったと言い訳されることもあります。

見積もりをとる際は作業内容や料金の内訳を細かく確認し、追加料金が発生する可能性についてもしっかりと確認しておくことが重要です。

キャンセル料金を請求する

不用品回収の契約後や、場合によっては契約前にもかかわらず、高額なキャンセル料金を請求する手口があります。悪質な業者は、見積もり内容に納得がいかなかったり、都合が悪くなったりしてキャンセルを申し出ると、すでにトラックを手配した、人員を確保したなどと理由をつけて法外なキャンセル料を要求してきます。

中には、契約書に小さな文字で高額なキャンセル料に関する記載をしておき、それを盾に支払いを迫るケースも見られます。

また、威圧的な態度でキャンセルを認めず、強引に作業を進めようとすることもあります。利用者は迷惑をかけたかもしれないという気持ちや、業者からの圧力によって、不本意ながら支払いに応じてしまうことがあります。

不用品回収を依頼する際は、契約前にキャンセルに関する規定を確認し、書面に明記してもらうようにしましょう。少しでも不審な点があれば、安易に契約しないことが大切です。

当日に料金を請求する

不用品回収の作業当日に、突然、事前の説明なく料金を請求する手口も存在します。悪質な業者は、依頼時には具体的な料金を提示せず、曖昧な説明にとどめることがあります。作業が始まってから、あるいは終了間際に、「料金は〇〇円です」と一方的に告げてくるのです。

特に、回収する品物が多い場合や作業が複雑に見える場合に、思ったより手間がかかったなどと高額な請求をするケースが見られます。事前に料金体系や見積もりについて明確な合意がないため、利用者は請求額が妥当なのか判断できません。業者は、即時の支払いを迫ったり、断ると威圧的な態度に出たりすることもあります。

こうしたトラブルを避けるためには、作業を依頼する前に料金体系を確認し、可能であれば書面での見積もりを取得することが不可欠です。

無料といったのに料金を請求する

「無料回収」と聞いて依頼しても、結局お金がかかることが多いのですか。

運搬費や特定の品目の処分費などが別途必要になるケースがほとんどです。無料になる範囲と条件を具体的に確認し、追加料金は一切かからないという言質を書面でとることが大切になります。

不用品を無料で回収しますと宣伝しておきながら、実際には作業後や積み込み後にさまざまな名目で料金を請求する手口があります。チラシやWebサイト、巡回トラックなどで無料を強調し、気軽に依頼させようとします。しかし、いざ作業を依頼すると、運搬費は別、特定の品目以外は有料、リサイクル料金がかかるなどと言い、結局は料金を請求してくるのです。

ひどい場合には、すべての不用品をトラックに積み終えた段階で、「無料なのは回収作業だけで、処分費用はかかる」などと、当初の説明とは異なる高額な料金を要求することもあります。利用者が抗議しても、「規約に書いてある」「説明したはずだ」などと言い逃れされたり、すでに積み込まれているため断りにくい状況に追い込まれたりします。

依頼する前に、どの範囲までが無料で、どこからが有料になるのか、追加料金は発生しないかなどを、書面で明確に確認することがトラブル防止につながります。

回収したものを不法投棄する

万が一、回収された不用品が不法投棄されたら、依頼した側も責任を問われる可能性があるのですか。

はい、排出者として廃棄物処理法違反に問われ罰金などを科される可能性があります。正規の処理ルートを明確に説明してくれる業者を選び、契約書に処理方法を記載してもらうとよいでしょう。

依頼者から回収した不用品を、正規の手続きを踏まずに不法投棄する悪質な不用品回収業者もいます。これは、犯罪行為です。正規の業者は、回収した品目に応じて適切な分別や処理、リサイクルを行いますが、そのためにはコストがかかります。

無許可で営業しているような業者は、このコストを削減するために不法投棄に手を染めることがあるのです。

不法投棄は、環境汚染や景観の悪化を引き起こすだけでなく、社会的な問題にもなります。さらに深刻なのは、不法投棄された物から依頼者が特定された場合、依頼者自身が廃棄物処理法に基づいて責任を問われる可能性があることです。こうしたリスクを避ける上で廃棄物処理の許可を得ている正規の業者に依頼することが重要になります。

電話や訪問がしつこい

一度問い合わせたり見積もりを依頼したりしただけなのに、その後、何度も電話がかかってきたり、突然自宅に訪問してきたりするケースがあります。これは、契約を強引にとろうとする悪質な不用品回収業者の手口の一つです。

断っているにもかかわらず、さらに安くできる、今日なら特別に対応できるなどと言葉巧みに勧誘を続け、利用者が根負けするのを狙っています。アポイントメントもなく突然訪問し、不用な物はないかとしつこく聞いてきたり、家の中に入ろうとしたりすることもあります。

こうした業者は、利用者の断りきれないという気持ちや、早く帰ってほしいという心理を利用します。特に高齢者などがターゲットにされやすい傾向があります。

電話勧誘であれば、はっきりと不要である旨を伝えて電話を切りましょう。訪問された場合も安易に玄関を開けず、きっぱりと断ることが大切です。あまりにしつこい場合は、警察や消費者センターへの相談も考えましょう。

依頼したものを回収しない、依頼していない物も回収する

依頼時に回収をお願いしていたはずの不用品を、当日になって、これは回収できない、聞いていないなどと言って回収しない手口があります。悪質な業者は、事前に何でも回収できると言っておきながら、実際に作業する段になると、手間がかかるものや処分費用が高いものだけを意図的に残していくことがあります。

逆に、依頼していない物まで勝手にトラックに積み込み、料金を上乗せしようとするケースもあります。価値のある品物や、まだ使える家電などを勝手に持ち去ろうとすることもあるので注意が必要です。

これらの行為は当初の契約内容と異なるものであり、利用者の意向を無視した悪質な手口です。防ぐためには回収してほしい品物のリストを事前に作成し、業者と共有しておくことが大切です。

作業当日は、何が回収され、何が残されたのか、依頼していないものが勝手に運び出されていないかを、確認するようにしましょう。

事前に見積もりを提示しない、記録を残さない

悪質な不用品回収業者は、作業前に明確な見積もりを提示しなかったり、契約内容を書面などの記録に残さなかったりすることがあります。これは、後から高額な料金を請求するための常套手段です。口頭で大まかな金額を伝えるだけで、詳細な内訳や作業範囲を示さないケースが多く見られます。

また、見積書や契約書といった記録を残さないことで、言った言わないのトラブルに発展しやすくなります。優良な業者であれば、通常、作業前に詳細な見積書を提示し、依頼者の合意を得てから作業を開始します。

もし業者が見積もりは作業後に出す、書面は不要などと言ってきた場合は注意が必要です。作業前に書面での見積もりを要求し、料金体系や作業内容、追加料金の有無などを細かく確認するようにしましょう。

悪徳な不用品回収業者の特徴

悪徳な不用品回収業者の特徴

悪質な不用品回収業者には、いくつかの共通した特徴が見られます。見分けるためのポイントを紹介します。

無料を謳っている

「不用品、無料で回収します」と宣伝している業者には注意が必要です。不用品の処分には、通常、人件費や運搬費、そして適切な処理のための費用がかかります。

完全に無料で回収することは、事業として成り立ちにくいのが実情です。そのため、無料を強調する業者は、後から高額な追加料金を請求したり、回収したものを不法投棄したりする可能性があります。

一部の品目だけ無料、運搬費は別途必要といった条件が隠されていることも少なくありません。もちろん、価値のある品物を買い取る形で、結果的に無料やプラスになるケースもあります。

しかし、どのようなものでも無料といった甘い言葉は、安易に信用しないことが大切です。

料金やオプションの説明がない

悪質な不用品回収業者は、料金体系やオプションサービスについて、明確な説明を避ける傾向があります。問い合わせても料金表を見せなかったり、作業内容によるので今は分からないと曖昧な返答を繰り返したりします。

どのような作業にいくらかかるのか、追加料金が発生するケースはあるのかといった質問にも、はっきりと答えないことが多いです。これは、後から想定外の料金を請求したり、不要なオプションをつけたりするための準備かもしれません。

事前に料金やサービス内容について、詳細かつ分かりやすい説明がない業者は、信頼性に欠けると考えられます。

ホームページや拠点がない

ホームページがない業者は、やはり避けた方が無難なのでしょうか。

ホームページがないからといって、必ずしも悪質とは限りません。しかし、信頼性を判断する情報が少ないのは事実ですので、電話番号が固定回線か、自治体の許可業者リストに載っているかなどを確認するとよいでしょう。

会社のホームページが存在しない、または所在地(住所)が明記されていない不用品回収業者には注意が必要です。トラブルが発生した際に連絡がとれなくなったり、責任の所在を追及できなかったりするリスクがあります。

正規の事業者は、通常、信頼を得るために自社の情報を公開しています。ホームページや拠点の情報がないということは、無許可で営業している可能性も考えられます。

チラシや巡回トラックのアナウンスだけで宣伝している業者も、同様に慎重な判断が必要です。依頼する前に、業者のホームページや所在地情報を確認しましょう。

トラックで巡回している

軽トラックで巡回している業者に頼むのは、なぜリスクが高いと言われるのですか。

多くが無許可営業のため回収後の不法投棄リスクが高いです。またクーリング・オフが適用されない移動販売形式を悪用するケースも報告されています。

トラックで地域を巡回しながら、「ご家庭の不用品、無料で回収します」などとスピーカーで宣伝している業者には注意しましょう。こうした巡回型の不用品回収業者の多くは、自治体の許可を得ずに営業している可能性があります。無許可営業は違法であり、トラブルの原因となりやすいです。

最初は無料と言っていても、不用品をトラックに積み込んだ後で高額な料金を請求されるケースが後を絶ちません。

また、業者の連絡先が不明瞭なことが多く、問題が起きても責任を追及できない恐れがあります。回収された不用品が不法投棄されるリスクも考えられます。安易に依頼するのは避けた方がよいでしょう。

突然訪問してくる

アポイントメントもとらずに突然自宅を訪問してくる不用品回収業者も、悪質な場合があります。近くで作業していたので、今なら安くできるキャンペーン中などとの理由をつけて訪問してきます。しかし、これは強引に契約を取り付けようとする手口の一つです。

中には、家の中の様子をうかがったり、不用品を見せてほしいとしつこく迫ったりする業者もいます。その場で契約を急かしたり、高額な料金を提示したりすることもあります。

特に一人暮らしの方や高齢者世帯が狙われやすい傾向にあります。インターホン越しに対応し、身元や目的がはっきりしない場合は、安易に玄関を開けないようにしましょう。

スタッフの身なりがだらしなく、身分が不明

訪問してきた不用品回収業者のスタッフの身なりがだらしなく、清潔感がない場合も注意が必要です。正規の会社のスタッフであれば、通常、会社のユニフォームを着用していたり、きちんとした服装をしていたりします。

しかし、悪質な業者の場合名札などを着用しておらず、会社名や担当者名が分からないことも少なくありません。身分証明書の提示を求めても、はぐらかしたり拒否したりするようであれば、さらに疑わしいでしょう。スタッフの身だしなみや態度を不審に感じたら、依頼するのは避けた方がよいでしょう。

電話やメールの対応が雑である

電話やメールでの問い合わせに対する対応が雑な業者も、悪質な不用品回収業者である可能性があります。料金やサービス内容について尋ねても、明確な回答を避けたり、適当な返答をしたりするケースも見られます。

メールでの問い合わせに対して返信が極端に遅い、あるいは全く返信がないといった場合も、信頼できる業者とは言えません。

こうした対応の悪さは、社内の体制が整っていない、あるいは顧客対応を重視していないことの表れかもしれません。問い合わせ対応が不誠実な業者は、実際の作業や料金請求においてもトラブルを起こしやすいと考えられます。少しでも対応に不安を感じたら、その業者への依頼は避けるべきでしょう。

詐欺の不用品回収業者を見分けるポイント

悪質な業者を見抜くための具体的なチェックポイントを解説します。依頼前の確認が重要です。

ホームページ、所在地を確認する

不用品回収業者を選ぶ際は、まず会社の公式ホームページがあるか、そして会社の所在地が明確に記載されているかを確認しましょう。ホームページには、会社概要やサービス内容、料金体系、これまでの作業実績などが掲載されていることが多いです。

これらの情報がきちんと公開されているかは、信頼できる業者かどうかを見極めるための一つの目安になります。

特に、会社の所在地が実在する場所なのかを確認することが大切です。所在地が不明確だったり、レンタルオフィスなどの実態が把握しにくい住所だったりする場合は注意が必要です。万が一のトラブル時に連絡がとれなくなる恐れもあります。

口コミ・実績を確認する

業者の信頼性を判断するために、口コミや実績を確認することは有効です。よい評価だけでなく、悪い評価の内容も確認することで、業者の実態が見えてくることがあります。

ただし、口コミは個人の主観的な意見であるため、すべてを鵜呑みにせず、参考情報として捉えることが大切です。

また、業者の公式ホームページで、これまでの作業実績を確認することも重要です。具体的な作業事例や写真などが掲載されていれば、どのようなサービスを提供しているのか把握しやすくなります。実績が豊富で、その内容が具体的に示されている業者は、比較的信頼できる可能性が高いでしょう。

見積もりを確認する

不用品回収を依頼する前には、業者から見積もりをとりましょう。見積もりは、料金トラブルを防ぐ上で重要です。

見積書を受け取ったら、まず料金の総額だけでなく、その内訳を細かく確認してください。基本料金、品目ごとの回収費用、オプション料金(階段料金、解体費用など)、運搬費などが明確に記載されているかチェックします。

特に、追加料金は一切かからないという旨が明記されているかを確認することが大切です。口頭での説明だけでなく、書面で見積もりをもらい、内容に納得できるまで質問しましょう。見積もりが曖昧だったり、詳細な説明を渋ったりする業者は避けましょう。

詳しく回収内容や金額を確認する

見積もりをもらう際には、単に総額を見るだけでなく、具体的にどの不用品が回収対象で、それぞれにいくらかかるのかを詳しく確認することが重要です。例えば、大型家具や家電製品など、品目ごとに料金設定が異なる場合があります。

また、作業一式といった曖昧な項目がないか、もしあればその詳細な内容を尋ねましょう。さらに、搬出経路や作業時間によって追加料金が発生するのか、解体や分別が必要な場合に別途費用がかかるのかなど細かく質問しておくことが大切です。後からこれは聞いていなかったというトラブルを防ぐためにも、疑問点は解消し、双方の認識を明確に一致させておく必要があります。

許可の有無を確認する

許可には種類があるようですが、家庭の不用品回収で確認すべき許可は何ですか。

家庭の不用品を有料で回収するには、市区町村が発行する一般廃棄物収集運搬業許可が必須です。産業廃棄物収集運搬業許可や古物商許可だけでは家庭ゴミの回収はできないため注意しましょう。

不用品回収業者が家庭の不用品を有料で回収するには、市区町村から一般廃棄物収集運搬業許可を得ている必要があります。この許可は、自治体ごとに厳しい基準があり、取得が容易ではありません。そのため、許可を持つ業者は信頼性が比較的高いと言えます。

事業所から出る産業廃棄物を扱う場合は産業廃棄物収集運搬業許可、中古品を買い取る場合は古物商許可がそれぞれ必要です。これらの許可なく営業する業者は違法であり、不法投棄や料金トラブルにつながるリスクがあります。業者のホームページで許可番号を確認したり、自治体のWebサイトで許可業者リストを調べたりしましょう。

詐欺の不用品回収業者にあったときの対処法

詐欺の不用品回収業者にあった時の対処法

万が一、悪質な不用品回収業者による詐欺被害に遭ってしまった場合、どのように対応すればよいのでしょうか。冷静に対処するための方法を解説します。

怪しいと思ったらすぐにキャンセルする

不用品回収の作業前や作業中に、業者の言動や提示された金額に少しでもおかしい、怪しいと感じたら、すぐにキャンセルを申し出ましょう。例えば、事前の説明と違う料金を提示されたり、威圧的な態度をとられたりした場合です。

作業が始まっているから、もうトラックに積み込んだからなどと言われても、納得できない状態のまま契約を進める必要はありません。キャンセルを伝える際は、「契約しません」「キャンセルします」とはっきり意思表示することが大切です。

もし業者がキャンセルを認めなかったり、不当に高額なキャンセル料を要求してきたりしても、その場で安易に支払わないでください。身の危険を感じるような場合は、警察や消費者センターに相談しましょう。訪問回収などの特定のケースでは、クーリング・オフ制度を利用して契約を解除できる場合もあります。

警察に連絡する

警察に相談しても、「民事不介入」と言われて対応してもらえないのではないかと不安です。

確かに契約内容だけのトラブルでは難しい場合もあります。しかし脅迫・恐喝・窃盗などの犯罪行為があれば刑事事件として対応可能です。具体的な状況や業者の特徴をメモし証拠があれば持参して相談しましょう。

悪質な不用品回収業者から脅されたり、無理やり高額な支払いを強要されたりした場合は、警察への連絡を検討しましょう。物が盗まれた、勝手に家に入られたといった被害も、警察が対応する事案です。ただし、警察は基本的に民事不介入の原則があるため、契約内容に関するトラブルのみでは、すぐに対応してもらえないこともあります。

しかし、脅迫や恐喝、窃盗、住居侵入など、犯罪行為が疑われる場合は、迷わず相談してください。連絡する際は、警察相談専用電話「#9110」が利用できます。身の危険を感じるなど緊急の場合は、ためらわずに110番通報しましょう。

連絡時には、いつどこでどの業者にどのような被害か詳しく説明することが大切です。契約書や領収書、業者の連絡先や写真などの証拠があれば保管しておきましょう。

消費者生活センターへ相談する

消費者センターでは、具体的にどのようなサポートをしてもらえるのでしょうか。

具体的な助言のほかクーリング・オフ手続きのサポートや悪質な業者に関する情報提供なども受けられます。契約後でも諦めずにできるだけ早く相談することが大切です。

悪質な不用品回収業者との間で起きた契約や料金に関するトラブルは、お住まいの地域の消費生活センターや消費生活相談窓口に相談することができます。これらの窓口は、国や地方公共団体によって設置されており、消費生活に関する専門の相談員が対応してくれます。

「見積もりと違う高額な請求をされた」「不当なキャンセル料を求められている」といったさまざまなトラブルについて、相談に乗ってもらえます。相談員は、問題解決のための具体的なアドバイスをしてくれたり、必要に応じて業者との間に入って話し合いを仲介するあっせんを行ってくれたりする場合もあります。

全国共通の電話番号である消費者ホットライン「188」(いやや!)にかけると、相談窓口を案内してもらえます。相談する際は、契約書や領収書、請求書、業者の連絡先が分かるものやトラブルの経緯をまとめたメモなどがあると話がスムーズに進みます。

不用品回収詐欺を未然に防ぐ方法

トラブルに巻き込まれないためには、事前の対策が重要です。詐欺被害を防ぐための具体的な方法を解説します。

不用品回収の価格相場を知っておく

不用品回収の料金相場を知っておくことは、悪質な業者による詐欺被害を防ぐために有効です。相場を知らないと、業者から提示された金額が適正なのか、それとも不当に高いのかを判断できません。

不用品回収の料金体系は業者により異なりますが、一般的には基本料金+品目ごとの料金やトラック積み放題のようなパックプランがあります。料金は回収する品物の種類や量、大きさ、搬出経路で変動します。解体の必要性や作業員の人数など多くの要素も関係します。

事前に相場を把握しておくことが大切です。そうすれば、極端に安い無料や格安を謳う誘い文句や、逆に不自然な高額請求に対して、疑問を持つことができます。適正価格を知ることが、冷静な業者選びの判断基準となります。

無料や格安であることはないことを知っておく

不用品回収には運搬費や人件費、処分費用などがかかります。そのため完全無料や格安を謳う業者には注意が必要です。これらのコストを無視した運営は通常考えにくく、後からの高額請求や不法投棄につながる恐れがあります。

特に家電リサイクル法対象品には指定のリサイクル料金も必要です。なぜ無料や格安なのか、その理由や条件をしっかり確認しましょう。適正な費用がかかることを認識しておくことが、詐欺被害を防ぐ心構えとなります。

見積書に追加料金が発生しないことを記載してもらう

不用品回収を依頼する際、見積書をもらうことは基本ですが、重要なのが、その見積書に「追加料金は一切発生しません」といった一文を明確に記載してもらうことです。悪質な業者は、作業後に想定外の作業があった、処分費が別途必要などと言って追加料金を請求する手口を使います。

しかし、見積書に追加料金なしの記載があれば、不当な請求に対する証拠となります。もし業者がこの一文の記載を渋ったり、曖昧な言い訳をして拒否したりする場合は、その業者との契約は避けるべきでしょう。後々トラブルになる可能性が高いと考えられます。

口頭での追加料金はかかりませんという約束だけでは、証拠が残らず、言った言わないの水掛け論になりかねません。書面で、追加料金が発生しないことを明記してもらうように要求しましょう。

複数社の見積もりをとる

相見積もりをとる際、料金以外にどのような点を比較すればよいでしょうか。

料金の内訳の明確さや追加料金の有無はもちろん大切です。損害賠償保険への加入状況、スタッフの対応、口コミなども比較しましょう。総合的に判断して信頼できる業者を選びましょう。

不用品回収業者を選ぶ際には、面倒でも複数の業者から見積もりをとり、比較検討することをおすすめします。1社だけの見積もりでは、提示された料金やサービス内容が適正なのか判断できません。しかし、2社、3社と見積もりを比較することで、その地域の料金相場が見えてきます。

相場から大きく外れた高額な見積もりや、逆に安過ぎる見積もりを提示する業者は、何らかの問題を抱えている可能性があります。

また料金だけでなく回収できる品目の範囲や作業内容の詳細も比較できます。オプションサービスの有無やスタッフの対応の丁寧さなども確認しましょう。各社の見積もり内容や対応を比べることで、より信頼でき、自身のニーズに合った業者を見つけやすくなります。

まとめ

悪質な不用品回収業者による、見積もり外の高額請求や不法投棄などのトラブルが増えています。無料回収を謳ったり、所在地や許可情報が不明瞭だったりする業者には注意が必要です。被害を防ぐためには、業者のホームページや口コミ、許可の有無をしっかり確認しましょう。

複数の業者から詳細な見積もりをとり、追加料金が発生しないことを書面で確認することが大切です。もしトラブルに遭ってしまった場合は、一人で悩まず、消費生活センターや警察に相談してください。事前の情報収集と比較検討が、信頼できる業者選びにつながります。

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