使わなくなった乾燥機の処分にお困りではありませんか。乾燥機は家電リサイクル法の対象製品であり、通常の粗大ゴミとして捨てられません(※)。正しい方法で処分する必要があります。
この記事では、乾燥機の具体的な処分方法6つとそれぞれの費用相場、処分や買い替えの適切なタイミング、安全に処分するための注意点について、分かりやすく解説します。
※参考:一般社団法人家電製品協会.「対象廃棄物(家電4品目)一覧」. (参照 2025-05-02).

早稲田大学国際教養学部卒。その後、不用品回収や遺品整理に特化したメディア「不用品回収の窓口」の立ち上げに参画。400社を超える不用品回収業者の業務改善や集客改善に注力。同時に、環境省が主催する「使用済製品等のリユース促進事業研究会」へ定期的に参加し、不用品回収やゴミ問題解決に取り組んでいる。不用品や遺品整理に関する多様な記事の執筆・監修も担当。
このページの内容
乾燥機の処分にかかる費用相場

乾燥機の処分方法ごとの費用相場を以下の表にまとめました。
処分方法 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|
指定引取場所に持ち込む | 2,530円~ | リサイクル料金のみ(メーカーなどにより異なる) |
購入店・買い替え店に依頼 | 3,000円~8,000円程度 | リサイクル料金 + 収集運搬料金 |
自治体に問い合わせる | 自治体により異なる | 自治体のルール確認が必要(回収不可の場合も多い) |
リサイクルショップで売却 | 0円(売却できれば収入になる可能性あり) | 状態や年式による。運搬費が別途かかる場合も |
フリマアプリなどで売却 | 0円(売却できれば収入になる可能性あり) | 販売手数料、梱包・配送料がかかる |
不用品回収業者に依頼 | 3,000円~10,000円程度 | 業者やプランによる。他の不用品とまとめて処分できる場合も |
欲している人に譲る | 0円~(送料などがかかる場合あり) | 運搬方法による |
※上記はあくまで目安です。正確な料金は各事業者や自治体にご確認ください。
乾燥機を処分する際は、家電リサイクル法に基づきリサイクル料金が発生します。指定引取場所に自分で持ち込む場合はリサイクル料金のみですが、店舗や回収業者に依頼する場合は、これに収集運搬料金が加わります。不用品回収業者に依頼する場合は、他の不用品との兼ね合いやサービス内容によって費用が変動します。
リサイクル料金と収集運搬料金は、いつ、どうやって支払うのが一般的ですか?
支払い方法は依頼先で異なりますが、家電量販店なら引き取り依頼時や作業当日、不用品回収業者なら作業完了時に支払うことが多いです。どちらの場合も、支払い後に家電リサイクル券の控えを受け取ってくださいね。
乾燥機の処分方法

乾燥機を処分するには、主に6つの方法があります。それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
粗大ゴミとして回収してもらう
乾燥機は家電リサイクル法の対象品目です。そのため、ほとんどの自治体では粗大ゴミとして収集を行っていません。
お住まいの自治体によっては、特定の条件下で回収する場合もあるかもしれませんが、基本的には他の適切な方法で処分する必要があります。処分前には、自治体のWebサイトで確認するか、担当窓口に問い合わせてみましょう。
【メリット】
- もし回収可能な場合、他の方法より費用を抑えられる可能性がある
【デメリット】
- ほとんどの自治体で回収不可
- 家電リサイクル法に沿った処分方法ではない
- 回収可能な場合でも、自分で搬出する必要がある
やはり、基本的には粗大ゴミとしては出せないんですね。なぜダメなのでしょうか?
はい、乾燥機は家電リサイクル法で、適切にリサイクルすることが定められているからです。有用な資源を回収し、廃棄物を減らすための大切なルールなのですよ。
店舗で回収・下取りしてもらう
家電量販店などの小売店に乾燥機の回収や下取りを依頼する方法があります。家電リサイクル法では、新しい乾燥機を購入する店舗、または処分したい乾燥機を過去に販売した店舗には、その乾燥機を引き取る義務が定められています。
これらに該当しない場合でも、多くの店舗で有料の引き取りサービスが提供されています。古い乾燥機の状態によっては利用できないこともあります。
【メリット】
- 買い替えと同時に処分が完了する
- 法律に沿った適切な手続きで処分できる
- 店舗スタッフが搬出や運搬を行う場合が多い
- 下取り対象になれば処分費用がかからない(むしろ収入になる可能性も)
【デメリット】
- リサイクル料金と収集運搬料金が必要になる
- 買い替え時や購入店でない場合、引き取りを断られる可能性がある
- 下取りの条件(製造年式や状態など)は厳しい場合が多い
- 自身で店舗まで持ち込まなければならないケースもある
購入したお店が遠かったり、もうなかったりする場合は、引き取ってもらえないのでしょうか?
いいえ、新しい製品を購入するお店か、お近くの家電量販店、または自治体が案内する回収協力店に相談できますよ。ただし、収集運搬料金はお店によって異なるため、事前に確認することをおすすめします。
リサイクルショップで売却する
まだ使用できる状態の乾燥機であれば、リサイクルショップに買い取ってもらうことも選択肢の一つです。製造年式が新しく、見た目がきれいで正常に動作する乾燥機は、買い取ってもらえる可能性があります。
出張買取サービスを利用すれば自宅まで査定・引き取りに来てもらえますが、自分で店舗に持ち込む方法もあります。買い取ってもらえれば、処分費用がかからないどころか収入を得られる点が魅力です。
【メリット】
- 処分費用がかからず、売却益を得られる可能性がある
- 出張買取を利用すれば搬出や運搬の手間がかからない
- まだ使える製品をリユースできる
【デメリット】
- 状態や年式によっては買い取ってもらえない
- 希望する価格で売れるとは限らない
- 出張買取に対応していない店舗やエリアもある
- 店舗への持ち込みには手間がかかる
どうせ売るなら、少しでも高く買い取ってもらいたいのですが、何かコツはありますか?
はい、まず見た目をきれいに掃除しておくことが大切です。取扱説明書や付属品がそろっていると、さらに査定額がアップしやすいですよ。特に製造から5年以内の機種は需要が高い傾向にあります。
フリマアプリやオークションで売却する
フリマアプリ、ネットオークションを利用して、乾燥機を必要としている個人に直接売却する方法もあります。リサイクルショップよりも高い価格で売れる可能性があるのが魅力です。
ただし、出品から購入者とのやり取り、梱包、発送まで全て自分で行う必要があります。大型家電の配送は手間や費用がかかる点も考慮しましょう。
【メリット】
- リサイクルショップより高く売れる可能性がある
- 自分で販売価格を設定できる
- 処分費用がかからず収入になる
【デメリット】
- 出品や購入者とのやり取りに手間がかかる
- 梱包や発送の手配が大変で、費用もかかる
- 売れるとは限らず、時間がかかる場合もある
- 個人間取引のため、クレームなどのトラブルが発生する可能性がある
自分で送るのが大変そうですが、何か良い方法はありますか?
梱包から発送まで代行してくれる配送サービスを利用すると手間がかかりません。送料が高額になりやすいため、販売価格を決める際は送料を考慮するか、購入者負担にすることを明記しておきましょう。
不用品回収業者に依頼する

不用品回収業者に依頼すると、指定の日時に自宅まで乾燥機を引き取りに来てくれます。搬出作業も任せられるため、手間がかからないのが大きな利点です。
乾燥機以外にも処分したい家具や家電があれば、まとめて回収してもらえる場合が多く、引っ越しや大掃除の際に便利です。業者によっては即日対応や買取サービスを提供していることもあります。
【メリット】
- 自宅まで回収に来てくれるため搬出の手間がない
- 他の不用品もまとめて処分できる場合がある
- 買取可能な業者を選べば費用を抑えられる可能性がある
【デメリット】
- 他の処分方法と比較して費用が高めになることが多い
- 業者によっては別途オプション料金がかかる場合がある
- 悪質な業者に依頼してしまうリスクがある(後述)
費用がかかるイメージですが、業者さんに頼むメリットは何でしょうか?
費用はかかりますが、指定の日時に自宅まで回収に来てくれて、重い乾燥機の搬出も全て任せられる手軽さが大きなメリットです。他の不用品もまとめて処分できれば、結果的に手間や費用を抑えられることもありますよ。
欲している人に譲る
友人や知人、または地域の情報掲示板やSNSなどを活用して、乾燥機を必要としている人を探して無償で譲る方法もあります。まだ十分に使える状態の乾燥機であれば、処分費用をかけずに手放せ、相手にも喜んでもらえるかもしれません。
ただし、譲渡する相手を探す手間がかかることや、運搬方法・費用負担について事前に話し合っておく必要があります。個人間のやり取りになるため、状態の認識違いなどがないよう注意が必要です。
【メリット】
- 処分費用がかからない
- まだ使える製品を有効活用できる
- 相手に喜んでもらえる場合がある
【デメリット】
- 譲渡相手を探す手間と時間がかかる
- 運搬の手配や費用負担の調整が必要
- 譲渡後に故障した場合などにトラブルになる可能性がある
乾燥機の寿命・処分・買い替えのタイミング

乾燥機の一般的な寿命は、使用頻度や環境にもよりますが、10年程度とされています。乾燥機能の付いた洗濯機の場合、メーカーが設計上の標準使用期間として7年程度を想定している場合も多いです。
日々の使い方やメンテナンスによって、これより長く使えることも、逆に短くなることもあります。
以下のようなサインが見られたら、処分や買い替えを検討するタイミングかもしれません。
- 乾燥に以前より時間がかかる、または乾きムラがある
- 運転中に異音(ガタガタ、キュルキュルなど)がする
- 途中で運転が止まる
- 電源が入らない、または操作パネルが反応しない
- エラー表示が頻繁に出る
- 焦げ臭いにおいがする、または本体が異常に熱くなる
故障の程度によっては修理もできますが、メーカーの部品保有期間を過ぎている場合や、修理費用が高額になる場合は、買い替えを検討する方が良いでしょう。省エネ性能の高い新しいモデルへの買い替えも、長期的に見てメリットがある場合があります。
まだ動くのですが、早めに買い替えるメリットってあるんでしょうか?
近年のモデルは省エネ性能が格段に向上していることが多いです。毎月の電気代が安くなったり、時短機能などで家事の負担が軽くなったりするメリットが期待できますよ。
乾燥機を処分するときの注意点

乾燥機を処分する際には、安全かつスムーズに処分を進めるために、以下のポイントを事前に確認しておきましょう。
処分前に行うべきこと
乾燥機をスムーズに処分するため、事前にいくつか準備しておきましょう。まず、感電防止のため、電源プラグをコンセントから抜いてください。アース線が接続されている場合は、それも取り外します。
水冷式の乾燥機など、機種によっては内部に水が残っている可能性があるため、取扱説明書を確認し、必要であれば水抜き作業を行ってください。
次に、フィルターのほこりや内部に残った糸くずなどを可能な限り掃除しておくと良いでしょう。特にリサイクルショップでの売却や知人への譲渡を考えている場合は、きれいな状態にしておくことが大切です。取扱説明書や保証書などの付属品も、そろえておきましょう。
乾燥機を運び出すための経路を確認し、通路の障害物などを片付けておくと、搬出作業がスムーズに進みます。
掃除の他に、個人情報に関してやっておくべきことはありますか?
機種によっては、ネットワーク設定などの情報が本体に残っている可能性があります。念のため取扱説明書を確認し、工場出荷時の状態に戻す初期化の操作を行っておくと、より安心ですね。
やってはいけないこと
乾燥機の処分でやってはいけないのは、不法投棄です。公園や道路脇、山林などに捨てる行為は法律で禁止されており、厳しい罰則が科せられます。
また、乾燥機は家電リサイクル法の対象品目なため、定められたリサイクル料金を支払わずに処分しようとしたり、自治体の粗大ゴミに出したりはできません。
注意したいのは、無許可の不用品回収業者への依頼です。家庭の廃棄物を回収するには一般廃棄物収集運搬業の許可が必要で、産業廃棄物処理業や古物商の許可だけでは回収できません。
無許可業者に引き渡すと、不法投棄されたり、高額な料金を請求されたりするトラブルに巻き込まれる可能性があります。さらに、自分で乾燥機を分解する行為も危険が伴うため避けるべきです。安全かつ適切に処分するため、これらの行為は行わないようにしましょう。
「一般廃棄物収集運搬業の許可」を持っているか、どうすれば確認できますか?
業者のWebサイトに許可番号が記載されているか確認しましょう。記載がない場合や不安な場合は、お住まいの自治体のWebサイトで許可業者名簿を確認するか、直接問い合わせるのが確実です。
処分方法の検討ポイント
乾燥機の処分方法を選ぶ際には、いくつかのポイントを考慮して適切な方法を決めましょう。主な検討ポイントは以下の通りです。
- 費用はどのくらいかけられるか
- 処分にかけられる手間や時間はどのくらいか
- 乾燥機の状態(年式や動作状況)はどうか
- 他に処分したい不用品はあるか
- すぐに処分したいか、時間はかかっても良いか
まず、リサイクル料金や収集運搬費といった費用面と、売却できた場合の収入の可能性を比較検討することが大切です。次に、自分で搬出や手続きを行う手間、または業者に依頼して手間を省く選択肢を、かけられる時間と合わせて考えましょう。
まだ使える乾燥機であれば売却や譲渡も視野に入りますが、すぐに処分したい場合は家電量販店や不用品回収業者への依頼がスムーズです。他の不用品もまとめて処分したいなら、不用品回収業者が適しているでしょう。
悪質業者に注意!不用品回収事業者選びのコツ
不用品回収業者の中には、残念ながら悪質な業者も存在します。そのような業者に依頼してしまうと、無料のはずが高額な追加料金を請求されたり、回収した乾燥機を不法投棄されたりするトラブルに巻き込まれる可能性があります。
信頼できる不用品回収事業者を選ぶためには、以下の点を確認しましょう。
- 「一般廃棄物収集運搬業」の許可を得ているか、または許可業者と提携しているか
- 会社の所在地や連絡先が明確に記載されているか
- 料金体系が分かりやすく、見積もりを事前に提示してくれるか
- 見積もり内容や追加料金の有無について丁寧に説明してくれるか
- 口コミや評判が悪くないか
特に、家庭の不用品を回収するには自治体の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です(※)。Webサイトなどで許可の有無を確認し、見積もりを依頼して料金や作業内容に納得した上で契約しましょう。
見積もりを取る際に、特に注意して確認すべき点は何でしょうか?
提示された料金に、リサイクル料金や搬出作業費などが全て含まれているかを確認することが重要です。追加料金が発生する条件なども、事前にしっかり聞いておきましょう。複数の業者から見積もりを取って比較するのもおすすめです。
まとめ
乾燥機は家電リサイクル法の対象となるため、法律に沿った適切な方法で処分する必要があります。主な処分方法としては、店舗での引き取りや指定引取場所への持ち込み、売却(リサイクルショップ、フリマアプリ)、不用品回収業者の利用、知人への譲渡などが挙げられます。
それぞれの方法で費用や手間が異なるため、乾燥機の状態やご自身の状況に合わせて検討することが大切です。処分前には電源プラグを抜き、内部を掃除するなどの準備を行いましょう。不法投棄や無許可の回収業者への依頼は避け、この記事を参考に、適切な方法で乾燥機を処分してください。

早稲田大学国際教養学部卒。その後、不用品回収や遺品整理に特化したメディア「不用品回収の窓口」の立ち上げに参画。400社を超える不用品回収業者の業務改善や集客改善に注力。同時に、環境省が主催する「使用済製品等のリユース促進事業研究会」へ定期的に参加し、不用品回収やゴミ問題解決に取り組んでいる。不用品や遺品整理に関する多様な記事の執筆・監修も担当。