場所を取るソファを処分したいけれど、どうすれば良いか分からない、という方は多いのではないでしょうか。ソファの処分方法は一つではなく、費用や手間もさまざまです。粗大ゴミとして自治体に回収してもらうのが一般的ですが、リサイクルショップで売却したり、不用品回収業者に依頼したりする方法もあります。
この記事では、ソファの処分を検討している方に向けて、7つの処分方法とそれぞれの費用相場、メリット・デメリット、注意点について詳しく解説します。さらに、ソファの寿命や買い替えのタイミング、悪質な不用品回収業者を見分けるポイントについても紹介します。

早稲田大学国際教養学部卒。その後、不用品回収や遺品整理に特化したメディア「不用品回収の窓口」の立ち上げに参画。400社を超える不用品回収業者の業務改善や集客改善に注力。同時に、環境省が主催する「使用済製品等のリユース促進事業研究会」へ定期的に参加し、不用品回収やゴミ問題解決に取り組んでいる。不用品や遺品整理に関する多様な記事の執筆・監修も担当。
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ソファの処分にかかる費用相場

ソファの処分には、いくつかの方法があり、それぞれ費用が異なります。自治体の粗大ゴミとして処分する場合は、比較的安価で、500円~2,000円程度が相場です。ただし、自治体によって料金設定が異なるため、事前に確認が必要です。例えば、大阪市では2人掛け以上のソファは1,000円、川崎市では1,200円となっています。
新しいソファへの買い替え時に、家具販売店の引き取りサービスを利用する場合は、無料~5,000円程度で処分できることがあります。ニトリでは4,400円の費用がかかりますが、無印良品やIKEAでは条件付きで無料引き取りを行っています。
不用品回収業者に依頼する場合は、ソファ単品で4,000円~12,000円程度と幅があります。これは、ソファのサイズ、種類、搬出状況(階段の有無など)によって料金が変動するためです。業者によっては、他の不用品とまとめて処分することで、割安になるプランを提供している場合もあります。
ソファの処分費用は、具体的に何によって変わってくるんですか?
ソファの大きさや種類、搬出経路の状況(階段の有無など)、そして依頼する業者によって変わります。自治体の粗大ゴミとして出す場合は比較的安価ですが、不用品回収業者に依頼する場合は、これらの要素によって料金が変動します。
ソファの処分方法

ソファの処分方法は、大きく分けて7つあります。粗大ゴミとして自治体に回収してもらう方法のほか、リサイクルショップやフリマアプリで売却したり、不用品回収業者に依頼したりする方法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、ご自身の状況に合った方法を選ぶことが大切です。本章では、7つの処分方法について、具体的な手順やメリット・デメリットを詳しく解説します。
粗大ゴミとして回収してもらう
ソファを粗大ゴミとして処分する方法は、多くの自治体で採用されており、比較的費用を抑えられる点がメリットです。
一般的な手順は、まず自治体の粗大ゴミ受付センターに電話やインターネットで申し込み、収集日や料金を確認します。その後、指定された金額の粗大ゴミ処理券(シール)を郵便局やコンビニなどで購入し、ソファに貼り付けて指定の場所に出します。
メリットは、費用が比較的安いこと、自治体が回収するため安心感があることです。デメリットは、自分で指定場所まで運ぶ必要があること、収集日が限られていること、申し込みから収集まで時間がかかる場合があることです(2週間~3週間程度)。
また、自治体によっては、ソファのサイズや種類によって回収できない場合や、解体が必要な場合もあります。
粗大ゴミとして出す場合、事前に何か準備しておくことはありますか?
はい、自治体によっては、事前に粗大ゴミ処理券を購入し、ソファに貼り付けておく必要があります。また、収集日や収集場所も事前に確認しておきましょう。
店舗で回収・下取りしてもらう
新しいソファを購入する際に、古いソファを店舗で回収・下取りしてもらう方法があります。これは、新しいソファの搬入と同時に古いソファを搬出できるため、手間がかからない点が最大のメリットです。
ただし、この方法は、新しいソファの購入が前提となるため、単に処分したい場合には利用できません。また、店舗によっては、引き取りサービスの利用条件(同種同数購入など)や対象地域が限定されている場合があります。例えば、無印良品では、ソファ1点の購入に対して、オットマンの引き取りはできません。
メリットは、搬出の手間がかからないこと、新しいソファの購入と同時に処分できることです。デメリットは、新しいソファの購入が前提となること、店舗によってサービス内容や料金が異なること、利用条件があることです。事前に各店舗のサービス内容を確認し、自身の状況に合った方法を選びましょう。
新しいソファを買うお店で引き取ってもらう場合、何か注意点はありますか?
お店によっては、引き取りサービスの利用条件(同種同数の購入など)が設けられている場合があります。事前に店舗に確認しておくと安心です。
リサイクルショップで売却する
まだ使える状態のソファであれば、リサイクルショップで売却できる可能性があります。この方法のメリットは、処分費用がかからないどころか、臨時収入を得られる可能性があることです。
特に、ブランド品や状態の良いソファは、高値で買い取ってもらえることもあります。出張買取サービスを利用すれば、自宅にいながら査定・売却ができるため、手間もかかりません。
しかし、すべてのソファが売却できるわけではありません。汚れや傷が目立つもの、使用感が強いもの、デザインが古いものなどは、買取を断られることがあります。また、買取価格はショップによって異なり、期待したほどの金額にならないこともあります。
リサイクルショップで高く買い取ってもらうコツはありますか?
事前にソファをきれいに掃除し、メーカー名や型番、購入時期などの情報をまとめておくと、査定額がアップする可能性があります。
フリマアプリやオークションで売却する
フリマアプリやネットオークションを利用して、ソファを個人売買する方法もあります。
この方法のメリットは、自分で販売価格を設定できるため、リサイクルショップよりも高値で売れる可能性があることです。また、全国のユーザーを対象に販売できるため、買い手が見つかりやすいというメリットもあります。
デメリットは、出品、写真撮影、商品説明文の作成、購入希望者とのやり取り、梱包、発送などの手間がかかることです。特に大型のソファは、梱包や発送が大変で、送料も高額になる傾向があります。また、個人間の取引であるため、トラブルが発生するリスクも考慮しなければなりません(商品状態の認識違い、配送中の破損など)。
フリマアプリで売る場合、送料はどちらが負担するのが一般的ですか?
大型家具の場合は、送料が高額になるため、購入者負担(着払い)に設定するのが一般的です。ただし、送料込みの価格設定にすることも可能です。
不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者に依頼する方法は、手間をかけずにソファを処分したい場合におすすめです。電話やインターネットで申し込むだけで、自宅まで引き取りに来てくれるため、搬出の手間がかかりません。また、最短で即日対応してくれる業者もあり、急いで処分したい場合にも便利です。
メリットは、搬出の手間がかからないこと、自分の都合に合わせて回収日時を指定できること、他の不用品もまとめて処分できることです。
デメリットは、他の処分方法に比べて費用が高くなる傾向があることです。また、業者によっては、基本料金、車両料金、作業料金などの追加料金が発生する場合があるため、事前に見積もりを取ることが重要です。
業者選びのポイントは後ほど詳しく解説します。
不用品回収業者に依頼する場合、見積もりは無料ですか?
はい、多くの業者は無料で見積もりを行っています。複数の業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較することをおすすめします。
欲している人に譲る
まだ使えるソファであれば、友人や知人、親戚など、欲しがっている人に譲るのも一つの方法です。この方法のメリットは、処分費用がかからず、相手に喜んでもらえることです。また、リユースにつながるため、環境にも優しい選択肢と言えます。
デメリットは、必ずしも引き取り手が見つかるとは限らないこと、自分で運搬の手配をする必要がある場合があることです。特に大型のソファは、運搬が困難な場合があります。また、相手に気を使わせてしまう可能性も考慮しなければなりません。
譲る相手を探す方法としては、直接声をかける以外に、SNSや地域の掲示板、ジモティーなどのサービスを利用する方法があります。ただし、個人間のやり取りとなるため、トラブルが発生しないよう、事前にしっかりと話し合い、条件を確認しておくことが大切です。
ソファを譲る場合、何かトラブルを避けるための注意点はありますか?
後々のトラブルを避けるため、ソファの状態(傷や汚れなど)を事前にしっかりと伝え、運搬方法や費用負担についても話し合っておくことが大切です。
ソファの寿命・処分・買い替えのタイミング

ソファの寿命は、素材や使い方、メンテナンスの頻度によって異なりますが、一般的には5年~10年程度と言われています。ただし、これはあくまで目安であり、使用状況によっては、もっと早く寿命を迎えることもあります。
ソファの買い替え・処分のタイミングとしては、以下のようなサインが見られた場合が考えられます。
- クッションがへたって、座り心が悪くなった
- 座るとギシギシと音がする
- 生地が破れたり、汚れが落ちなくなったりした
- フレームが歪んだり、破損したりして、安定感がなくなった
- スプリングが飛び出したり、異音がしたりする
- 引っ越しや家族構成の変化で、ソファのサイズやデザインが合わなくなった
これらのサインが見られた場合は、修理やクリーニングで対応できることもありますが、費用や手間を考えると、買い替えを検討する方が良い場合もあります。特に、フレームやスプリングの劣化は、修理が難しいことが多く、安全上の問題も生じる可能性があるため、注意が必要です。
ソファを処分するときの注意点

ソファを処分する際には、いくつか注意すべき点があります。適切な手順を踏まずに処分してしまうと、トラブルに発展したり、余計な費用がかかったりする可能性があります。
本章では、ソファを処分する前に確認すべきこと、やってはいけないこと、処分方法の検討ポイント、悪質な不用品回収業者に注意すべき理由と対策について解説します。
処分前に行うべきこと
ソファを処分する前に、いくつか確認しておくべきことがあります。
まず、ソファのサイズ(幅、奥行き、高さ)を正確に測りましょう。これは、粗大ゴミとして出す場合や、リサイクルショップに持ち込む場合、新しいソファを購入する際に、搬出・搬入経路を確保するために必要です。特に、マンションやアパートの場合は、エレベーターや階段の幅、玄関のドアのサイズなども確認しておきましょう。
次に、ソファの状態を詳しくチェックします。汚れや傷、へたり具合、フレームの歪み、スプリングの状態などを確認し、写真に撮っておくと、リサイクルショップやフリマアプリで売却する際に役立ちます。また、購入時の保証書や取扱説明書があれば、一緒に保管しておきましょう。
さらに、自治体の粗大ゴミとして処分する場合は、事前に自治体のホームページや電話で、処分方法、料金、収集日などを確認しておく必要があります。多くの自治体では、粗大ゴミの収集は事前予約制となっており、申し込みから収集まで数週間かかる場合もあります。
ソファのサイズを測る際、特に注意すべき点はありますか?
幅、奥行き、高さだけでなく、搬出経路(ドアや廊下、階段など)を通れるかどうかも確認しておく必要があります。
やってはいけないこと
ソファを処分する際に、絶対にやってはいけないことは、不法投棄です。不法投棄は法律で禁止されており、違反した場合は、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、もしくはその両方が科せられます(廃棄物処理法第25条)。ソファを道路脇や空き地などに放置すると、不法投棄とみなされる可能性があります。
また、自治体のルールを守らずに粗大ゴミを出すこともやめましょう。指定された日時や場所を守らない、粗大ゴミ処理券を貼らない、分別ルールを守らないなどの行為は、近隣住民の迷惑になるだけでなく、回収してもらえない場合があります。
自分でソファを解体すれば、普通ゴミとして捨てられますか?
多くの自治体では、ソファを解体しても粗大ゴミとして扱う必要があります。解体した部品を可燃ゴミや不燃ゴミとして出すことは、不適正処理とみなされる可能性がありますので注意が必要です。
処分方法の検討ポイント
ソファの処分方法を検討する際には、いくつかのポイントがあります。まず、費用を重視するのか、手間を重視するのかを考えましょう。
費用を抑えたい場合は、自治体の粗大ゴミとして出すか、リサイクルショップで売却する方法がおすすめです。手間をかけたくない場合は、不用品回収業者に依頼するか、新しいソファの購入時に店舗に引き取ってもらう方法が便利です。
次に、ソファの状態を考慮しましょう。まだ使える状態であれば、リサイクルショップやフリマアプリで売却したり、人に譲ったりすることも検討できます。一方、状態が悪い場合は、粗大ゴミとして出すか、不用品回収業者に依頼することになります。
また、時間的な余裕があるかどうかも重要なポイントです。自治体の粗大ゴミ収集は、申し込みから収集まで時間がかかる場合があります。急いで処分したい場合は、不用品回収業者に依頼するか、リサイクルショップの出張買取を利用すると良いでしょう。
最後に、住んでいる地域の自治体のルールを確認しましょう。自治体によって、粗大ゴミの出し方や料金が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
悪質業者に注意!不用品回収事業者選びのコツ

不用品回収業者の中には、残念ながら悪質な業者も存在します。無料回収を謳いながら高額な料金を請求したり、回収したソファを不法投棄したりするケースが報告されています。このような悪質業者に依頼してしまうと、トラブルに巻き込まれるだけでなく、間接的に不法投棄に加担してしまうことにもなりかねません。
悪質業者を見分けるポイントは、以下の通りです。
- 「一般廃棄物収集運搬業許可」または「古物商許可」の有無を確認する
- 見積もりを複数の業者から取る
- 口コミや評判をチェックする
- 契約書を必ず交わす
「一般廃棄物収集運搬業許可」または「古物商許可」は、自治体から正式に認められた業者であることを示すものです。許可証の提示を求めるか、ホームページで許可番号を確認しましょう。
また、料金体系やサービス内容を比較することで、適正な価格かどうかを判断できます。
さらに、インターネット上の口コミサイトや、地域の掲示板などで、業者の評判を確認することも大切です。
依頼するときには、作業内容や料金、キャンセル料などを明記した契約書を作成してもらうのも忘れないようにしましょう。
なお、少しでも怪しいと感じたら、契約を急がず冷静に判断することが大切です。国民生活センターや消費生活センターに相談することもできます。
不用品回収業者との契約で、特に注意すべき点はありますか?
はい、クーリング・オフ制度の対象となるかどうかを確認することが重要です。訪問販売や電話勧誘販売の場合、契約書を受け取った日から8日以内であれば、無条件で契約を解除できる場合があります。
まとめ
ソファの処分は、費用や手間、ソファの状態など、さまざまな要素を考慮して、ご自身に合った方法を選ぶことが大切です。自治体の粗大ゴミ回収、店舗での回収・下取り、リサイクルショップやフリマアプリでの売却、不用品回収業者への依頼、そして欲している人に譲るなど、多様な選択肢があります。
それぞれの方法にはメリット・デメリットがありますが、手間や時間をかけずに確実にソファを処分したい場合は、不用品回収業者への依頼がおすすめです。専門の業者が、ソファの搬出から処分まで、すべてを代行してくれます。
ただし、不用品回収業者を利用する際は、悪質な業者に注意し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。そのため、複数の業者から見積もりを取り、十分に比較検討しましょう。

早稲田大学国際教養学部卒。その後、不用品回収や遺品整理に特化したメディア「不用品回収の窓口」の立ち上げに参画。400社を超える不用品回収業者の業務改善や集客改善に注力。同時に、環境省が主催する「使用済製品等のリユース促進事業研究会」へ定期的に参加し、不用品回収やゴミ問題解決に取り組んでいる。不用品や遺品整理に関する多様な記事の執筆・監修も担当。