大量のぬいぐるみを処分したいけど、燃えるゴミに出すしかないのでしょうか?
ぬいぐるみを処分する方法は、可燃ゴミとして出す以外にもいろいろな手段があります。どんな方法を選ぶかによって費用や手間が変わってきますので、自分に合った方法を検討しましょう
ふわふわもこもこしたぬいぐるみは、軽くてもかなりかさばるので、数が増えてくると置くスペースや収納に困ってしまうことがあります。
愛着のあるぬいぐるみを手放すことに抵抗を覚える方も多いと思いますが、収納の奥底にしまってカビが生えてしまうよりは、気持ちよく手放す方法を考えてみることをおすすめします。
今回は、不用品回収のプロが、ぬいぐるみの処分が難しい理由や、オススメの処分方法、処分にかかる費用の目安について解説します。
早稲田大学国際教養学部卒。その後、不用品回収や遺品整理に特化したメディア「不用品回収の窓口」の立ち上げに参画。400社を超える不用品回収業者の業務改善や集客改善に注力。同時に、環境省が主催する「使用済製品等のリユース促進事業研究会」へ定期的に参加し、不用品回収やゴミ問題解決に取り組んでいる。不用品や遺品整理に関する多様な記事の執筆・監修も担当。
このページの内容
ぬいぐるみの処分が難しい理由とは?
収納スペースを考えると、ぬいぐるみを処分しなければいけないのですが、何だか気が引けてしまって…
そうですね。ぬいぐるみの扱いに困っているものの、なかなか処分に踏み切れない…という方は多いようです
ぬいぐるみは家具や家電に比べると簡単に処分できると思われがちですが、実は心情的・物理的に廃棄するのが難しいアイテムのひとつに数えられています。
なぜぬいぐるみの処分が難しいといわれるのか、その理由は大きく分けて2つあります。
1.愛着のあるぬいぐるみを捨てることに抵抗がある
ぬいぐるみは家具や家電のように実用性のあるものではなく、インテリアとして飾ったり、抱っこして心を癒したりするものです。
そのため、長年手元に置いているものほど深い愛着が湧き、自らの手で処分することに強い抵抗を覚える方は少なくありません。
実際、ぬいぐるみに関するアンケート調査の結果によると、不要になったぬいぐるみについて、全体の2割近くの人が「処分方法が分からず困っている」と回答しています。[注1]
[注1]いこーよ:【アンケート調査】不要になった人形・ぬいぐるみはどう処分?
2.かさばって処分しにくい
前述の通り、ぬいぐるみはふんわりとして弾力があるので、小型のものでもかなりかさばります。
たとえばゴミ袋に入れて処分するにしても、数個入れただけですぐにパンパンになってしまい、ぬいぐるみの数によっては数十袋分ものゴミが出てしまう可能性もあります。
たくさんのゴミ袋を家から搬出し、然るべき場所に持っていくにはかなりの時間と手間がかかってしまいます。
また、自治体によっては一度に出すゴミ袋の数を制限しているところもあり、複数回にわけて処分しなければならないこともあります。
特に一人暮らしの人や、ゴミ捨て場から距離のある人は、搬出・運搬にかなりの時間と手間がかかります。ぬいぐるみの処分を検討する際は、費用だけでなく、手間も考慮に入れて選ぶようにしましょう
ぬいぐるみの処分で「運気が下がる」は迷信
長年かわいがってきたぬいぐるみを処分すると、運気が下がると聞いたことがあるのですが、本当ですか?
確かにそういう話も聞きますが、まったくの迷信ですので安心してください。むしろ、不要になったぬいぐるみを捨てずに取っておいた方が、いろいろなデメリットがあります
昔から、人形には魂が宿るといわれており、持ち主の情や思念が移りやすいと考えられてきました。
特に日本では、長い年月を経た物に神や精霊が宿る「付喪神(つくもがみ)」の伝承が根付いているため、他のゴミと同じように処分すると運気が下がる、悪いことが起こるといわれています。
しかし、ぬいぐるみを処分すると運気が下がるというのは、あくまで迷信に過ぎません。
むしろ、風水では人や動物をかたどったぬいぐるみは、持ち主と家の運気を分け合う存在であり、たくさんのぬいぐるみを置いていると持ち主の運気を吸い取られる原因になると考えられています。
お気に入りのぬいぐるみだけを手元に残しておくのはかまいませんが、運気の低下を気にするのなら、不要なぬいぐるみは思い切って処分した方がよいでしょう。
なるほど。使わないぬいぐるみを残しておく方が、かえって運気が下がってしまう可能性があるんですね
そうですね。なお、不要なぬいぐるみを取っておくことには、運気以外にもさまざまなデメリットがあります。風水に興味はないという方も、不要なぬいぐるみは処分を検討した方がよいでしょう
不要なぬいぐるみを取っておくデメリット
使わなくなったぬいぐるみを処分せずに取っておくと、住環境にさまざまな影響を及ぼす原因となります。
まず、大量のぬいぐるみを取っておくには、それなりのスペースが必要です。
収納が有り余っている場合はさほど問題にならないかもしれませんが、そうでないのなら、不要なぬいぐるみを処分した方が、他のものを収納して部屋をスッキリさせられます。
また、不要なぬいぐるみを物置やクローゼットの片隅にまとめておくと、ダニやカビが繁殖する原因となります。
ダニとカビはともにアレルゲンの一種ですので、放っておくとアレルギーを発症してしまうおそれがあります。
特にカビは、ぬいぐるみを発生源として床や壁などにも広がり、建具の劣化を早める要因にもなります。
定期的にぬいぐるみをお手入れすれば、ダニ・カビの発生・繁殖を防ぐことは可能ですが、一度物置やクローゼットにしまい込んだぬいぐるみをこまめにメンテナンスするのは難しいので、処分を検討した方がよいでしょう。
置き場所に困るなとは思っていましたが、ダニやカビの原因になるとは思いませんでした
部屋に飾っている間はこまめにお手入れするので、ダニ・カビに悩まされることはあまりないのですが、じめじめして通気性の悪い物置やクローゼットに置いておくと、短期間でもカビやダニが繁殖することがあります。ダニやカビは肉眼では見えず、袋などに収納していても完全に防止することはできませんので、収納にしまい込むくらいなら処分を考えた方がよいでしょう
ぬいぐるみのオススメの処分方法5選
いろいろお話をうかがって、やはりぬいぐるみは処分しようと思うのですが、どんな方法で処分するのがオススメですか?
ぬいぐるみを処分する方法は複数あり、それぞれにメリット・デメリットがあります。何を重視するかによってオススメの処分方法は異なりますので、まずはご自身のニーズをはっきりさせてから処分方法を検討しましょう
以下では、ぬいぐるみを処分する方法と、それぞれの特徴を5つのポイントに分けて解説します。
1.家庭ゴミとして処分する
ぬいぐるみは基本的に、可燃ゴミまたは粗大ゴミとして処分することが可能です。
可燃ゴミに出す場合はゴミ袋のコストだけで済むので、比較的費用をかけずに処分できるところが利点です。
粗大ゴミについては、自治体によって有償か無償か、有償の場合はいくらかかるのかに違いがありますので、お住まいの自治体のルールをあらかじめ確認しておきましょう。
少量のぬいぐるみを手っ取り早く処分したい場合におすすめの方法ですが、ぬいぐるみの数が多い場合や、ゴミ収集所まで距離がある場合、ゴミ出しに労力と時間がかかってしまうところが難点です。
また、愛着のあるぬいぐるみほど、ゴミ袋に押し込んで処分することに強い抵抗を感じやすくなります。
「大切なぬいぐるみをゴミとして処分したくない」という人は、他の方法で処分した方がよいでしょう。
2.リサイクルショップ等に買い取ってもらう
なるべくコストをかけずにぬいぐるみを処分したいのなら、中古品の買取に対応しているリサイクルショップ等に持ち込んで処分するという方法もあります。
基本的に査定は無料で行ってくれますし、運良く値段がついたら臨時収入を得られるところが大きなメリットです。
特にめずらしいものや人気のあるものはプレミアがついて、元の価格よりも高値で売れることもあるようです。
値段がつかなかった場合も、店によっては無料で引き取ってもらえるので、処分コストを節約したい人にぴったりの方法といえるでしょう。
ただ、ぬいぐるみは衛生面の問題もあり、よほどきれいな状態でないとなかなか値段はつきません。
汚れや傷、ほつれなどが見られるぬいぐるみは、無料でも引き取ってもらえない場合が多いので、店舗に持ち込む手間と時間が無駄になってしまう可能性もあります。
店舗によっては出張買取や宅配買取に対応しているところもありますが、美品でないと買い取ってもらえないことに変わりはありませんので、残ったものは別の方法で処分する必要があります。
3.ネットオークションやフリマアプリに出品する
ネットオークションやフリマアプリを使えば、リサイクルショップ等で値段がつかなかったぬいぐるみを落札してもらえる可能性があります。
リサイクルショップ同様、美品でないとなかなか買い手はつきませんが、複数のぬいぐるみをまとめて安値で出品するなど、売り方を工夫すれば、購入希望者が現れるかもしれません。
ネットオークションやフリマアプリなら、欲しがっている人にぬいぐるみを譲渡できるので、「大切にしていたぬいぐるみをゴミに出す」という心情的な抵抗も感じずに済みます。
ただ、汚れや傷があるものを出品するときは、事前にぬいぐるみの状態をきちんと説明しておかないと、取引の相手とトラブルが発生するおそれがあります。
また、ネットオークションやフリマアプリで取引が成立した場合、運営会社に販売代金の5~10%程度を販売手数料として支払わなければなりません。
さらに、ぬいぐるみの送料を「出品者負担」とした場合は、送料も払わなければならないので、取引額によっては損をしてしまう可能性があることに注意が必要です。
もちろん、ぬいぐるみの梱包や発送手続きも自分で行うことになるので、それなりの時間と手間がかかることも念頭に置いておきましょう。
4.知人・友人に譲る
ぬいぐるみを集めている友人や、子育て中の知人がいる場合は、「ぬいぐるみの譲り先を探しているんだけど」と声かけしてみるのもありです。
自分の友人や知り合いなら、大切なぬいぐるみの預け先として安心できますし、手渡しすればコストも掛からずに済みます。
ただ、汚れのひどいものや、ほころびが目立つものは、いくら知人・友人といえども譲渡するわけにはいきません。
リサイクルショップやネットオークション、フリマアプリなどに比べれば、多少の使用感があっても許容範囲かもしれませんが、あまりに古びたぬいぐるみは処分を検討した方がよいでしょう。
また、譲渡するぬいぐるみはできる範囲でお手入れし、なるべくきれいな状態で渡すのがマナーです。
お手入れの手間ひまを省きたいのなら、やはり他の方法で処分するのがおすすめです。
5.不用品回収業者に依頼する
店舗やネットオークション等で値がつかず、かつ譲り先もないという場合は、不用品回収業者に依頼して回収してもらいましょう。
ネットや電話などで不用品の回収を依頼すれば、都合の良い日時に自宅までぬいぐるみを回収しにきてくれます。
運搬車両への積み込みはもちろん、自宅からの搬出も任せられるので、大量のぬいぐるみも手軽に処分できるところがメリットです。
また、不用品回収業者の場合、トラックの積載量で料金を換算するパターンが多い傾向にあります。
たとえば軽トラック1台のプランを選択した場合、一定の積載量を超えなければ料金は一定ですので、ぬいぐるみ以外の不用品もついでに処分することができます。
目の前で処分するわけではないので、自らゴミ出しする場合に比べるとあまり心情的な抵抗を感じずにぬいぐるみを手放すことができるでしょう。
売れるほどきれいなぬいぐるみじゃない場合は、不用品回収業者に依頼した方が手間もストレスもなく処分できそうですね
コストはかかりますが、他の不用品も処分できることを考えると、トータルでかかる費用はむしろお得といえるでしょう
ぬいぐるみの処分にかかる費用の目安
ぬいぐるみの処分にかかる費用は、選択した方法によって異なります。
以下では、ぬいぐるみの処分にかかる費用の目安を表にまとめました。
処分方法 | 費用の目安 |
---|---|
可燃ゴミ | 500円~1,000円程度 |
リサイクルショップ | 無料 |
ネットオークション・フリマ | 販売代金×5~10%程度の手数料+送料500円程度~ |
友人・知人への譲渡 | 無料 |
不用品回収業者 | 10,000円~15,000円程度(軽トラック1台分) |
不用品回収業者を利用するのが一番割高ですけど、他の不用品も処分できると考えれば安いかもしれませんね
そうですね。特に家具や家電はコストの問題だけでなく、処分するのに手間と時間がかかりますので、ぬいぐるみと一緒にいろいろなものを断捨離したい!という人は、不用品回収業者に依頼することをおすすめします
不要なぬいぐるみはカビやダニの原因になることも!思い切って処分を検討しよう
思い入れのあるぬいぐるみを処分するのは気が引けるものですが、物置やクローゼットに置きっぱなしにするとカビやダニの温床となる可能性があります。
風水的にもあまり良い影響をもたらしませんので、いらないぬいぐるみがある場合は、思い切って処分を検討した方がよいでしょう。
ぬいぐるみを処分する方法はいろいろありますが、自分の手で処分することに抵抗のある人や、ぬいぐるみの他に処分したいものがある人は、不用品回収業者への依頼がおすすめです。
どこの業者に頼めばいいかわからない…という場合は、不用品回収業者の一括見積もりサービス「不用品回収の窓口」を利用しましょう。
1回の入力で最大5社の見積もりを請求できるので、最も良い条件で処分してくれるのはどこか、簡単に比較できます。
不用品回収の窓口の利用料は一律無料ですので、ぬいぐるみの処分を検討している方はぜひお気軽にご利用ください。
早稲田大学国際教養学部卒。その後、不用品回収や遺品整理に特化したメディア「不用品回収の窓口」の立ち上げに参画。400社を超える不用品回収業者の業務改善や集客改善に注力。同時に、環境省が主催する「使用済製品等のリユース促進事業研究会」へ定期的に参加し、不用品回収やゴミ問題解決に取り組んでいる。不用品や遺品整理に関する多様な記事の執筆・監修も担当。