もう乗らないバイクを処分したいです。どうすればいいですか?
バイクは陸運局に車両として登録されており、法律に則った処分をしなくてはいけません。廃車手続きを行うか、中古車として買い取ってもらう方法が一般的です。
処分方法によってかかる費用や手間が異なりますので、情報を集めてから手続きをすると節約できます。
乗らなくなった、壊れてしまったバイクは、処分が面倒で長年放置してしまうケースが多いです。
しかし、いずれは自分で処分しなくてはいけません。
お得で正しい処分方法を知って早めに済ませてしまいましょう。
こちらの記事では、誰にでもできるバイクの処分方法や費用のことを中心に、不用品回収のプロが解説しています。
日本大学文理学部卒。後に、不用品回収専門メディア「不用品回収の窓口」に参画。信頼関係を第一に考え、多くの不用品回収業者の業務改善に注力する。同時に、環境省が主催する「使用済製品等のリユース促進事業研究会」へ定期的に参加し、不用品回収業者と協力して不用品回収やゴミ問題解決に取り組んでいる。不用品に関する多様な記事の執筆・監修も積極的に担当。
このページの内容
バイクの基本的な処分方法5選
誰にでもできる簡単なバイクの処分方法は大きく分けると5つあります。
- 指定引取場所に持って行く
- 廃棄二輪取扱店に依頼する
- 廃車専門業者を利用する
- 不用品回収業者に依頼する
- 中古車として買い取ってもらう
いろいろな処分方法があるようですが、それぞれの違いは何ですか?
持ち込む場所・処分にかかる費用・運搬サービスの有無が主に違います。処分方法の特徴を知って、自分が重視する点やバイクの状態にあった方法を選びましょう。
1. 指定引取場所に持って行く
公益財団法人「自動車リサイクル促進センター」が運営する指定引取場所では、無料で対象車両を処分してもらえます。リサイクル料金もかかりません。
自分で持ち込む必要があるため、動かないバイクの場合は運搬用の車両や運搬業者への依頼が必要です。
また、対象車両以外は回収していません。
事前に処分したいバイクが対象になっているか確認しましょう。
2. 廃棄二輪取扱店に依頼する
廃棄二輪取扱店とは、値段が付かないようなバイクや廃棄寸前のバイクを引き取っているお店です。
持ち込むとバイクの状態によってリユースかリサイクルされ、バイクを再資源化できます。
「一般社団法人全国軽自動車協会連合会」のサイト内で店舗を検索できるので、利用する際は活用しましょう。
3. 廃車専門業者を利用する
廃車を専門に請け負う業者に依頼するのも手段の1つです。
動かないバイクや古いバイクでも持ち込むだけで処分できます。
指定場所まで引き取りに来てくれるお店もあるので、運搬方法がない場合も安心です。
回収されたバイクは分解してパーツを再利用したり、海外に売られたりします。
廃車手続きまで行ってくれますが、愛車がパーツとして扱われることに抵抗がある人は少し考えてから利用しましょう。
4. 不用品回収業者に依頼する
バイクにも対応している不用品回収業者は多いです。
動かないバイクやボロボロになったバイクでも回収してもらえます。
早い業者は即日引き取りに来てくれるので、すぐにバイクを処分したい場合におすすめです。
また、価値のある車両の場合は買取の交渉もできます。
見積もりに納得できなければキャンセルも可能ですので、一度利用してみてもよいでしょう。
5. 中古二輪として買い取ってもらう
人気の車種や状態のよい車両であれば、中古車買取業者に持ち込むのもおすすめです。
買い取ってもらえれば処分ができたうえにお金も得られます。
ただし壊れているバイクや古すぎるバイク、人気のない車種は買い取ってもらえないことが多いです。
廃車だけでなくリサイクルやリユースも可能なんですね。
はい。バイクの状態にも左右されますが、バイクの専門知識が豊富な業者ほどリサイクル・リユースをしてもらえます。バイクに第二の人生を与えたい場合は業者選びも慎重に行いましょう。
バイク処分のための廃車手続きの流れ
業者を使わずに廃車手続きをすることもできますか?
可能です。必要な書類を用意して、管轄の役所か陸運局で廃車手続きを行います。手続き自体は窓口に行くだけですが、事前に準備しなくてはいけない書類が多いです。排気量によって必要な書類と手続き場所が異なりますので確認しましょう。
バイクの廃車手続きは、排気量によって
- 125cc以下のバイク(原付バイク)
- 126〜250ccのバイク(軽二輪車)
- 250cc以上のバイク(大型バイク)
この3つに分類され、それぞれに合わせた廃車手続きが必要です。
正しく廃車手続きを行わずに廃棄すると法律によって罰されます。
125cc以下のバイク(原付バイク)の場合
原付バイクは廃車手続きが簡単です。費用もかかりません。
また、自治体によっては粗大ゴミとして回収している場合もあります。
- 自動車検査証(車検証)
- バイクの使用者の印鑑
- ナンバープレート
- 標識交付証明書
- 廃車申告書(役所でもらえます)
これらを準備して「管轄の役所(市役所・区役所など)」で廃車手続きをすれば完了します。
廃車申告書は自治体ホームページから印刷できますので、事前に記入して持って行くとスムーズです。
原付バイクより大きなバイクも自治体で手続きできますか?
いいえ。排気量が126cc以上のバイク(軽二輪車・大型バイク)はお住まいの地域を管轄する陸運局に行く必要があります。また、必要な書類や陸運局で受け取る書類にも違いがあります。
126〜250ccのバイク(軽二輪車)の場合
軽二輪車の処分には自治体によって違う書類発行費用(数百円)がかかり、手続き場所は管轄の陸運局です。
軽二輪車は書類では「軽自動車」と記載されていますが、軽自動車検査協会では対応していません。
ややこしい書き方で間違える人が多いので注意しましょう。
また、必要な書類も原付とは異なります。
- 自動車検査証(車検証)
- 軽自動車届出済証
- バイクの使用者の印鑑
- ナンバープレート
上記3種類に加えて、廃車手続き後の取り扱いによって下記2つの内どちらかの書類を陸運局でもらいます。
- 軽自動車届出済証返納証明書交付請求書(中古車として売る場合、一時的に乗らない場合)
- 軽自動車届出済証返納届出書(完全に壊れている、パーツとして売る場合)
合計で4つの書類を用意して手続きをすれば完了です。
250cc以上のバイク(大型バイク)の場合
大型バイクの廃車手続きでも書類発行の手数料(数百円)がかかります。
軽二輪車と同様に手続き場所は陸運局ですが、準備する書類が違います。
- 自動車検査証(車検証)
- バイクの使用者の印鑑
- ナンバープレート
- 標識交付証明書
- 軽自動車届出済証返納証明書交付申請書
これらに加えて、陸運局でもらう書類も増えます。
- 抹消登録申請書
- 手数料納付書
- 軽自動車税申告書
- 検査登録印紙
大型バイクの場合は、廃車手続きに合わせて税金と保険関連の手続きも一緒に行いましょう。
保険は有効期限が残っている場合は保険料が還付されます。
税金は所有者から外れない限りはずっと請求されてしまうので注意しましょう。
排気量によってかなり違いがあるんですね。
原付バイクの処分のシンプルさと比べると、大型バイクは非常に面倒な印象になりますね。書類に不備があると何度も役所や陸運局に出向くことになります。不安な場合は廃車手続きもまとめて行う業者に依頼すれば安心です。
バイクの処分で発生する費用の相場
バイクの処分にかかる費用は処分方法によって大きく差があります。
ここでは費用に差ができやすい以下の2つの方法に分けてそれぞれの相場を見ていきましょう。
- 廃車を請け負う業者に依頼する場合
- 不用品回収業者に依頼する場合
指定取引場所や廃棄二輪取扱店を利用する場合は、各ホームページに料金が明記されています。
処分費用の見積もりが高い気がするのですが、相場がよくわかりません…
廃車専門業者や不用品回収業者を利用する際の費用は、業者の方針やバイクの状態・車種で大きく左右されます。含まれているサービスも価格に影響しますので、見積もり内容と相場をしっかりと確認してみましょう。よくわからない項目がある場合は確認して、納得してから契約してください。
廃車専門業者のバイク処分相場
廃車専門業者にバイクの処分を依頼する場合は、1万円~2万円が相場です。
これはバイクを解体処分する際に必要な費用です。
解体されたパーツはリサイクル品として海外を中心に販売されるため、廃車専門業者は安価で処分を請け負っています。
廃車手続き代行費用やバイクの運搬費用はこの中に含まれていません。
廃車手続きを依頼する場合は5,000円前後が相場です。
バイクの運搬は無料~1万円前後と幅があるため、見積もりを受け取った際に確認しましょう。
不用品回収業者のバイク処分相場
不用品回収業者にバイクの処分を依頼する場合は無料で引き取ってもらえることが多いです。
価値のあるバイクなら買い取ってもらえることもあるので、思わぬプラスになるかもしれません。
とはいえ、不用品回収業者の料金は各業者が自由に設定しているため、相場はあってないようなものだと考えておかなくてはいけません。
必ず事前に見積もりをもらうか、バイクを車に乗せてしまう前に料金提示をお願いしてください。
残念ながら悪徳業者が多く、半ば強引な形で不当な価格でバイクを引き取られてしまう事案が多発しています。
なるほど。見積もりがとても大切なんですね。廃車専門業者と不用品回収業者はどちらを利用したほうがいいでしょうか?
迅速かつ無料で処分したい場合は不用品回収業者がおすすめです。ほとんどが現地に引き取りにきてくえるので、動かないバイクの運搬手段がない場合にも助かります。しかし、廃車専門業者よりも数が多く、業者選びが難しいかもしれません。
バイクを処分する前に知っておくべき注意点
バイクを処分する際にはいくつか注意しておきたいことがあります。
お金の損やトラブルを招いてしまわないように把握しておきましょう。
手続きや業者探しをする前に気を付けることはありますか?
一番重要なことは業者の選び方です。不用品回収や廃車専門業者には悪徳業者と言われる存在もいます。被害に遭わないためには、評判や見積もりを確認し、バイクの価値を自分でも知っておくことが大切です。加えて、大型バイクの場合は税金や保健の取り扱いも忘れずにしましょう。
業者を利用する際は評判を確認しよう
不用品回収業者や廃車専門業者を探すと多くの候補が出てきます。
安さやお得さが目に付くと思いますが、価格だけで判断するのはやめましょう。
回収料金は無料でも、高額の解体費を請求されたり、不明な手数料を上乗せされたりする可能性があるからです。
できるだけ評判を確認し、見積もり比較を利用して納得のいく価格とサービスの業者を利用してください。
複数の業者に見積もりを依頼しよう
動かないバイクや古いバイクでも、プロが見ると価値があるケースは多いです。
業者を変えたら無料になった、または買い取ってもらえたということも少なくありません。
身近にバイクに詳しい人がいるなら、一度相談してみるのがおすすめです。
知り合いにいない場合は、複数の業者に見積もりを依頼するようにしましょう。
税金と保険に要注意
大型バイクは自賠責保険や任意保険に入り、軽自動車税も納めています。
廃車手続きだけでは保険と税金の解約・変更はできていませんので、忘れずにしておきましょう。
自分で手続きをしないとずっと請求されることになります。
また、保険・税金手続きの前にバイクを手放してしまうとトラブルになることもあります。ほかの人が乗り始める前に手続きを済ませてください。
見積もりが曖昧だったり、教えてもらえなかったりする場合はどうすればいいでしょう?
そのような業者は利用しない方がよいです。また、別途費用が発生することを匂わせる文章にも注意してください。明確な見積もりが提示される業者は安心して利用できます。不用品回収業者の場合は、県知事が発行している許可証を持っていればさらに安心ですね。
バイク処分の費用を抑えて素早く済ませたいなら不用品回収業者がおすすめ
バイクの処分はリサイクル料や解体費用などがかかり、数万円になることもあります。
自分で手続きをするなら安価ですが、軽二輪車以上になると書類も増えて陸運局に行く必要がでてくるので面倒です。
迅速かつ費用を抑えてバイクを処分したい場合は、不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。
業者選びは重要ですが、よい業者なら無料でバイクを引き取ってもらえて、正しい処分もしてもらえます。
不用品回収の窓口では複数社からの見積もりをまとめて取れ、加盟店は審査を通過した優良業者のみです。業者探しの際はぜひご利用ください。
日本大学文理学部卒。後に、不用品回収専門メディア「不用品回収の窓口」に参画。信頼関係を第一に考え、多くの不用品回収業者の業務改善に注力する。同時に、環境省が主催する「使用済製品等のリユース促進事業研究会」へ定期的に参加し、不用品回収業者と協力して不用品回収やゴミ問題解決に取り組んでいる。不用品に関する多様な記事の執筆・監修も積極的に担当。