雛【専門家監修】人形の処分で供養は必要?9つの処分方法や注意点を徹底解説

雛人形

飾らなくなった雛人形がしまいっぱなしになっていて、押し入れのスペースが狭くなっています。しかし、雛人形をそのまま捨てていいものか迷ってしまい、なかなか処分できません

雛人形は収納スペースを圧迫するため、もう飾らないのであれば処分を検討したいものです。処分の方法はいくつも考えられるので、ご自身が納得できる方法を選びましょう

雛人形は女の子の健やかな成長を願って飾られる縁起物です。また雛人形には身代わりとして災難を引き受けてくれる存在といわれます。

子どもが無事に成長すれば雛人形の役割は終わります。しかし、ずっと身代わりとなってくれていた雛人形をゴミとして処分するのは少し気がひけるかもしれません。

そこで今回は、雛人形の正しい処分方法をご説明します。

雛人形の正しい処分方法9選

雛人形の正しい処分方法9選

雛人形を処分する方法には、以下のようなさまざまなバリエーションがあります。

  1. 一般のゴミとして処分する
  2. 神社やお寺で人形供養をしてもらう
  3. 郵送で人形供養をしてもらう
  4. 日本人形協会に引き取ってもらう
  5. 子どもや孫に受け継いでいく
  6. 施設などに雛人形を寄付する
  7. リユースやリサイクルを検討する
  8. 人形の専門店で買い取ってもらう
  9. 不用品回収業者に引き取ってもらう

雛人形を処分する方法はいろいろあるようですが、おすすめはどれですか?

人形はそのままゴミとして処分することもできます。とはいえ、心理的な抵抗を感じる場合には、人形供養などの方法を選択したほうがいいかもしれません

まずは、それぞれの処分方法の特徴やメリットを見ていきましょう。

1. 一般のゴミとして処分する

実は雛人形は、燃えるゴミや燃えないゴミ、粗大ゴミの回収に出すことができます。どの種類のゴミに出すのかは、人形の素材やサイズ、自治体の回収ルールによって異なります。

とはいえ、雛人形をゴミとして捨てることにためらいを感じる方は少なくないと思います。

人形には魂が宿ると昔から信じられています。特に、雛人形は女性の災難や不幸を代わりに引き受け、清めてくれるお守りのような存在です。

そのまま捨ててしまうことに問題がないとわかっていても、やはり処分するのは気が引けるものです。

雛人形をゴミとして捨てたあとになんらかの災難や不幸に遭遇したときなどには、「やっぱり捨てなければよかった」と後悔するかもしれません。

迷信を信じない方や、不幸が起きたときにほかのことを関連付けて考えない方は、雛人形をそのまま処分してもいいと思います。とはいえ、少しでも気になるのであれば、あとあとの後悔を減らすためにも人形供養などを検討しましょう。

2. 神社やお寺で人形供養をしてもらう

日本国内には、人形供養をしてくれる神社やお寺がたくさんあります。近隣で人形供養ができる神社やお寺を探し、連絡をした上で雛人形を持ち込んでみましょう。

人形供養の方法には、ほかの方々によって持ち込まれたたくさんの人形とともに供養をしてもらう共同供養と、個別の読経や儀式をしてもらえる個別供養という2つの方法があります。

共同供養をしてもらう場合には、5,000円程度の志納金が求められるのが一般的です。個別供養には特別な供養料金が発生することがあるので、あらかじめ神社やお寺に確認しておきましょう。

3. 郵送で人形供養をしてもらう

郵送による人形供養を受け付けている神社やお寺もあるものです。

郵送の人形供養を利用する場合にはまず問い合わせや申し込みを行ないましょう。規定の方法で人形を郵送し、供養料を振り込めば、あとは神社やお寺が心を込めて供養してくださいます。

4. 日本人形協会に引き取ってもらう

一般の神社やお寺のほかに、一般社団法人日本人形協会でも人形供養や人形の引き取りをおこなっています。

日本人形協会では雛人形のほか、五月人形などさまざまな人形の供養代行を受け付けています。費用は1箱5,000円+送料となっており、神社やお寺での人形供養と同等の価格で人形を手放すことができます。

日本人形協会に集められた人形は、東京大神宮で毎年10月頃に行われる人形感謝祭で供養されます。

5. 子どもや孫に受け継いでいく

ぼんぼりと雛人形

雛人形は1人の女の子につき1対を用意するのが望ましいという考え方もあります。

雛人形はあくまでその子どもの災難や不幸を移すためのもので、子どもが無事に成長すればそこで役割は終わりということになっています。そのため、子孫に引き継いでいくのはあまり適切でないとされることがあるのです。

とはいえ、結婚するときに雛人形を婚家に持ち込み、子どもや孫に引き継いでいくという方は少なくありません。女の子が生まれたら、その子用に用意した雛人形と母親の雛人形とを一緒に賑やかに飾ることができます。

6. 施設などに雛人形を寄付する

雛人形を受け継ぐ女の子がいない場合には、各種施設や団体に雛人形を寄贈するのもよいでしょう。

地域の幼稚園や保育園、子ども園、児童施設、老人介護施設など、雛人形の寄贈を受け付けている施設や団体はいくつもあります。雛人形の引き取り先を探すときには、自治体や施設に問い合わせをしてみるとよいでしょう。

7. リユースやリサイクルを検討する

雛人形をリサイクルショップで買い取ってもらったり、フリマアプリやネットオークションで売却したりすることも可能です。

とはいえ、雛人形は持ち主の災難や不幸を身代わりとなって受け入れるという性質をもっているため、売れにくいのが現状です。リサイクルショップで買い取りを拒否されたり、さまざまなネットサービスを活用したにもかかわらず売れ残ってしまったりする可能性も考えられます。

また、フリマアプリやネットオークションで売却するときには、梱包や発送の方法についても考えておく必要があります。

こういったことを考えると、リユースやリサイクルで雛人形を処分する方法はコストパフォーマンスがよいとはいえないでしょう。

8. 人形の専門店で買い取ってもらう

高級な雛人形には、美術品や骨董品としての価値があります。有名な人形作家による作品や老舗によって販売された雛人形は、専門店で買い取ってもらえるかもしれません。

高級な雛人形をお持ちの場合には、人形専門店で査定をしてもらうのがおすすめです。

9. 不用品回収業者に引き取ってもらう

不用品回収業者に雛人形を引き取ってもらうという方法もあります。

人形供養やリサイクルに出すときには雛人形を所定の場所まで運ぶ必要がありますが、不用品回収業者は自宅まで雛人形を引き取りに来てくれるので便利です。また、業者依頼すれば雛人形そのものだけでなく、人形を飾るひな壇やガラスケースなどもまとめて引き取ってもらえます。

不用品回収業者は、家具家電などあらゆる不用品の引き取りや片付けに対応しています。雛人形を回収してもらうついでに、自宅に眠っているほかの不用品もまとめて引き取ってもらうのもよいでしょう。

雛人形を処分する方法は意外とたくさんあることがわかりました

人形の供養や子孫への引き継ぎ、リユースやリサイクルに対する考え方は人それぞれ違います。雛人形を処分するときは、その人が納得できる方法を選ぶことがなによりも大切です

雛人形を処分するときには人形供養をしたほうがいい?

雛人形を処分するときには人形供養をしたほうがいい?

雛人形を処分するときに人形供養をすべきなのかどうか迷います

供養をするか否かは個々の考え方に応じて決めていきましょう。人形供養をすれば心の区切りがつきやすくなり、気持ちよく雛人形を手放せます

雛人形を作るときには魂入れなどの儀式はしないため、雛人形に魂が宿るという解釈はしないのが一般的です。とはいえ、長年手元に置いている人形には、やはり愛着が湧くものです。

思い入れのある雛人形を手放すときには、できれば人形供養をしておきましょう。神社やお寺でしっかりと供養をしてもらえば、心理的な区切りがつきやすくなります。

また、人形を引き取ってくれる団体や不用品の処分業者が代理で人形供養をしてくれるケースもあるので、気になる場合には問い合わせてみましょう。

雛人形を処分する前に自身で人形供養をするのも1つの方法です。

人形に汚れがある場合には、あらかじめきれいにしておきましょう。まずは人形に塩を軽く振りかけて清め、白い布や和紙でふんわりと包みます。この状態で雛人形を業者に引き取ってもらったり、自治体のゴミ回収に出したりするとよいでしょう。

雛人形の供養は自分でおこなってもいいんですね

人形供養というと神社やお寺でしかおこなえないと思われがちですが、自身で供養しても問題はないのです。長年大切にしてきた人形だからこそ、心を込めて供養したいものです

雛人形を処分するときに気をつけたいポイント

雛人形を処分するときに気をつけたいポイント

雛人形を処分するときに気をつけておくべきポイントはありますか?

人形供養や人形の寄付をおこなうときには、前もって相手先に問い合わせをしておきましょう。また、雛人形を手放すと決めた場合には、早めに処分方法を決めるのがおすすめです

ここからは、雛人形を処分するときに気をつけたいポイントについてご説明します。

1. 人形供養を依頼するときには予約や問い合わせをする

人形供養をおこなっている神社やお寺、団体は全国にあります。

多くの施設ではあらかじめ申し込みをした場合にのみ人形供養を受け付けています。人形供養を依頼するときには志納金や供養料などを納めるのが一般的です。

こういった施設に直接人形を持ち込んだり郵送で人形を送りつけたりすると、断られてしまうことがあります。

ただし、共同の人形供養などのイベントがおこなわれており、持ち込みOKとウェブサイトなどで案内されている場合には、そのまま持ち込んでも問題ありません。

2. 人形を寄付する前にも問い合わせが必要

雛人形を幼稚園や保育園などに寄贈するという方法もありますが、この場合にも勝手に相手先に送りつけてはいけません。まずは自治体や施設に問い合わせて、寄贈が可能かどうかを確認しましょう。

3. 処分するときには早めに方法を決める

雛人形の処分の方法によっては、申し込みから引き取りまでにかなりの時間がかかってしまうので注意しましょう。

たとえば粗大ゴミの回収日は、ほとんどの自治体では1カ月に1度程度しかありません。また、各寺社仏閣や施設の人形供養の受付も、申し込みから持ち込みまでに時間がかかることがあります。ネットオークションやフリマアプリの場合も、買い手が見つかるまでにはある程度の時間が必要です。

引っ越しなどの都合で雛人形を処分するケースもあると思いますが、処分に時間がかかると引っ越し日に間に合わないことがあります。最悪の場合、処分予定だった雛人形を引っ越し先に持ち込むことになるかもしれません。

急いで雛人形を処分したいときには、即日で対応してくれる不用品回収業者を選んで依頼するなどの工夫が必要です。

雛人形を処分するときには早めに行動したほうが良さそうですね

雛人形に限らず、不要品の処分を依頼してから実際に引き取ってもらうまでには予想以上の時間がかかることがあります。不用品を迅速に処分したいのであれば、自治体の回収を待つのではなく、不用品回収業者に不用品整理をサポートしてもらうのがおすすめです

人形供養や不用品回収依頼など、雛人形を処分する方法はさまざまです

雛人形は自治体のゴミ回収に出すことも可能ですが、人形を捨てることに抵抗を感じる方は少なくないと思います。

飾らなくなった雛人形は神社やお寺で人形供養をしてもらったり、不用品回収業者に引き取ってもらったりといった方法で処分できます。また、中には雛人形を子どもに引き継いでいく方もいるものです。

思い出が詰まっている雛人形を処分するときには、あとあと悔いが残らないよう納得できる方法を選ぶことが大切です。